キュレーションメディアとは?オウンドメディアとの違い、作成時の注意点も解説!

キュレーションメディアとは?オウンドメディアとの違い、作成時の注意点も解説!

Webマーケティング2021.03.31

目次


キュレーションメディアとは、特定のテーマやカテゴリーに関する情報がまとめて確認できるメディアです。


キュレーションメディアは短時間で構築できるというメリットがありますが、信頼性や著作権などの点で課題も抱えているので、運営を考えている場合は注意が必要です。


今回は、マーケティングでメディア運用を考えている方向けに、キュレーションメディアの概要や混同されがちなオウンドメディアとの違いなどをご紹介していきます。


キュレーションメディアとは


キュレーションメディアとは、「すでに世間に出回っている情報をまとめてユーザーに提示するメディア」のことです。ちなみに「キュレーション」というのは、博物館や美術館などで展示物を企画して用意する「キュレーター」の行為を指します。


インターネットの普及によって情報が大量に拡散される反面、ユーザーは大量にあふれている情報から自分の欲しい情報を抜き出して確認するのが難しくなっています。


キュレーションメディアは、他メディアから引用した情報を基にユーザーにとって重要な情報をまとめて掲載できるという特徴があります。


キュレーションメディアとオウンドメディアの違い


キュレーションメディアとオウンドメディアには、次のような違いがあります。



キュレーションメディアオウンドメディア
オリジナリティ低い高い
目的広告から収入を得る認知度や売上の向上
構築時間短い長い


キュレーションメディアは他メディアから情報をまとめて掲載することがメインになるため、オリジナリティは低めです。対してオウンドメディアの場合は、運営側の知見も入るのでオリジナリティが高めになります。


キュレーションメディアはアクセスを広告に流入させることで収益を得ます。しかしオウンドメディアは、自社認知度や商品・サービスの売上向上が目的となる場合が多いようです。


また、キュレーションメディアは情報をまとめるだけなので、構築に時間がかかりません。一方オウンドメディアの場合は、独自のコンテンツを作り出す必要があるので制作に時間がかかります。


キュレーションメディアのメリット


キュレーションメディアでは、どのような効果があるのでしょう。キュレーションメディアには、次のようなメリットがあります。


記事作成に時間が掛からない


キュレーションメディアでは、インターネット上の情報をまとめて記事を作成することが主な仕事です。


イチから記事の内容を考えて作成すると、膨大な時間と労力がかかります。しかしキュレーションメディアであれば、他メディアの力を借りながら効率よく記事を書き上げることが可能です。


記事作成に時間がかからないので、自社でもリソースを用意して情報を発信しやすいのがメリットです。メディアをインターネット上で所有していない企業でも取り組みやすいといえます。


トレンドの情報を素早く発信できる


トレンドの情報は発信されたばかりの情報であり、注目度が高いため多くの人が見てくれます。また発信されたばかりであれば競合も少ないので、大量のアクセスを獲得できるケースもあります。


キュレーションメディアでは、スピード感のある情報発信が可能です。トレンドの情報をすぐに確認してまとめ上げ発信できれば、持続時間は短いかもしれませんが、たくさんのアクセスを集められる可能性が高まります。


広告から収益を獲得できる


キュレーションメディアは、広告を貼り付けて収益を獲得できるようになっています。


自社の認知度拡大や商品・サービスのコンバージョンなどを狙うオウンドメディアは広告を貼り付けにくいものですが、キュレーションメディアはそういった点を目的にしていません。


ユーザーの迷惑にならないように広告を配置して導線を作れれば、安定した広告収入が期待できます。


キュレーションメディアの問題点


キュレーションメディアでは次のような点が問題視されており、作成する際には注意が必要です。実際の運用の場で参考にしてください。


信頼性が低くなりがち


メディアには正確性が求められます。簡単に情報がSNSなどで拡散する時代になった今、間違った情報を流すと誤った見解が広くインターネットユーザーへ伝わってしまうからです。


しかしキュレーションメディアでは事実確認を行わず、他者の書いた二次情報や三次情報などを引用しながら執筆されるケースが多いのが課題です。二次情報や三次情報が正確とは限らず、情報源をたどって事実を確認せずに内容を記載してしまうと、間違った情報が拡散される可能性があります。


記事アップロードのスピードを重視しすぎた結果、内容が間違っているコンテンツがはびこってしまうようでは意味がありません。Googleの対策により今は廃れた「ブラックハットSEO」を実行するのと同じようなものです。


著作権を侵害している場合も多い


インターネット上で他者の文章や画像などを無断で転載し、大きな問題につながるケースが増えてきました。日本政府も著作権に対する罰則を強化し始めており、メディア運営者側としては、著作権に一段と気を配る必要が出ています。


しかしキュレーションメディアでは、無断転載も多く発生しているのが課題です。「キュレーションだから、他メディアから情報をそのまま持ってきても問題ない」という認識は改めるべきです。


著作権侵害が発覚した場合、自社の評判が下がってしまい収益にも影響を与えてしまう危険があるので注意しましょう。


SEO面でメリットを得にくい


キュレーションメディアが次々と問題を起こしている背景を受け、Googleも対策へ乗り出しています。具体的には、検索結果の上位に表示させるのが一番の目的になっている品質の低いキュレーションの特性を強く持つサイトに対し、ペナルティを課すようになりました。


SEOでは、オリジナリティや信頼性の高い、質のあるコンテンツが自然に上位表示される状況が望ましいとされています。キュレーションメディアがその邪魔をしているとGoogleから見られている以上、軽率にキュレーションメディアを用意しても、よい結果は見込めません。


SEO面でキュレーションメディアはメリットを得にくいというのは頭に入れておきましょう。


キュレーションメディア作成の注意点


キュレーションメディアを作成するときには気を付けたい点があります。ここからは、キュレーションメディアの作成時に注意したいポイントを解説していきます。


ニーズを確認する


メディアは見てくれるユーザーがいることで成立します。つまりニーズの高いジャンルを選定してキュレーションメディアで発信できれば、高い成果が見込めます。


・そもそも参入したい分野にニーズはあるのか


・ニーズに関してどのようなキーワードで検索が行われているか


・競合はどのようなコンテンツを作成して流入を狙っているのか


これらの観点から内容をチェックして、方向性を定めていく必要があります。


競合が多い場合は、自社がどのような価値をユーザーに提供できるのかを考えてメディアを構築していきましょう。


運用体制を整える


キュレーションメディアはオウンドメディアほど労力がかかりませんが、情報を定期的に発信する以上は安定して運用できる体制を整えておく必要があります。


・情報をまとめて提示するスタッフ


・提示された情報を基に執筆を行うライター


・キュレーションメディアのパフォーマンスを分析するマーケター


といった人員を用意してスムーズな運用を心掛けましょう。


また、人気が出れば、キュレーションメディアの規模を拡張する計画も出てくるでしょう。規模の拡大に合わせてさらに人員を増やし、情報を上手く発信できるように心掛けることも重要です。


情報の発信源や著作権などに注意する


キュレーションメディアの評判、さらには自社の評判も落としてしまう情報の発信源や著作権などには十分注意しましょう。


数値データなど事実確認の必要があるデータについては、一次情報を確認して情報を記載する必要があります。政府や関連団体の公式サイトなどが一次情報の発信元です。


また著作権については、他メディアの文章をそのまま記載するときは「引用」といった注釈を付ける


・他メディアの画像を転載するときはメディア側に許可を取るなどの作業を行い、法律に違反しないよう作業を行っていきましょう。


画像転載について気になる場合は、著作権フリーの画像サイトから画像を持ってくる、自社で画像を作るなどの工夫を行ってみてください。


検索エンジン以外からの流入も視野に入れる


オリジナリティを出しにくいという性質上、キュレーションメディアはオウンドメディアに対してSEO力が弱いと言えます。


検索エンジンからだけの流入に頼っていると、上手く成果が出ない可能性もあります。そこで、検索エンジン以外からのチャネルを用意して、流入が狙えるようにするのも手です。


特にSNSは情報をすぐ発信できるので、スピード感が重視されるキュレーションメディアとも相性がよいといえます。旬の情報をSNSで発信しながらキュレーションメディアへ流入する導線を設計できれば、検索エンジンだけに頼らない集客ができるようになるでしょう。


まとめ


今回はキュレーションメディアの概要やメリット、課題や作成時の注意点などを解説してきました。


キュレーションメディアは他メディアの情報をまとめながら記事を書き上げられるため、簡単に情報を発信できます。信頼性の高い情報をトレンドなども絡めながら発信できれば、大量の集客も見込めるでしょう。


ただし、情報の信頼性や著作権などに気を付けながら運営を行うことが大切です。この記事で解説した仕組みやメリットだけでなく、注意点にも気を付けながら運用しましょう。ぜひ自社の施策を成功させてください。