Webマーケティング2021.03.31
目次
私たちがインターネットを使って何かを調べるとき、検索窓に調べたい商品やサービスの名前などの単語だけでなく、さまざまな言葉を駆使して検索しようとすることがあります。
フレーズ一致とは、登録したキーワードが含まれているときに広告が表示されるマッチタイプのことです。以前は語順も掲載条件に含まれていましたが、現在はアップデートによる仕様の変更で「設定したキーワード」のみとなりました。
この記事では、企業のデジタル広告担当者の方に向けて、フレーズ一致のメリットやデメリット、マッチタイプの種類を紹介します。また、設定方法や設定の際のポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
フレーズ一致とは
フレーズ一致とは、設定したキーワードを含んでいれば広告が表示されるマッチタイプのことです。従来は語順に縛りがありましたが、アップデートがされたことにより、語順を考える必要がなくなりました。
具体的に掲載されるキーワードの例について説明します。例えば、設定するキーワードを「カフェ 東京」にした場合、アップデートがされる前は「カフェ おすすめ 東京」など、語順が異なるキーワードは表示されていませんでした。
しかし、現在では語順が異なっても軸となるキーワードが入っていれば掲載条件に当てはまるため、広告が表示されるようになっています。
マッチタイプはアップデートなどによって変更されることもあるため、知らないうちに変わっていたとならないためにも、定期的に変更がないか確認しておきましょう。
他のマッチタイプの特徴
フレーズ一致のほかに、4つのマッチタイプがあります。混同しないようにするためにもそれぞれの特徴をつかむことが大切です。ここでは4つに分けて詳しく紹介します。
完全一致とは
完全一致とは、登録したキーワードと検索した言葉が完全に一致したときのみ表示される仕様です。例えば「カフェ 東京」に設定している場合、検索語句も同じにならなければ掲載されることはありません。
ただし、表記ゆれ(変換ミスやひらがななど)は表示される仕様となっています。そのため、ユーザーが検索ミスをしても広告が表示される機会が失われることはないので、安心してください。「かふぇ 東京」「カフェ トウキョウ」と入力されたとしても、表示はされます。
完全一致はフレーズ一致と混同されがちな言葉ですが、フレーズ一致は登録したキーワードと異なる語句が入っているときも表示されます。そのため、全く異なるマッチタイプとなるので注意しましょう。
部分一致とは
ユーザーが何かを調べるとき、検索窓に入力する言葉には揺らぎがあります。例えば同じ「いちごが使われているケーキ」であっても、「苺ケーキ」と調べる人もいれば、「ストロベリーケーキ」と調べる人もいます。
部分一致とは、登録したキーワードのみならず、それに関連するキーワードに対しても広告を表示できる設定のことを言います。いわゆる関連語句や類義語なども広告の表示対象です。
例えばキーワードを「パーカー」に設定するとします。この場合「パーカー」以外に「パーカー 種類」「パーカー レディース」などで検索をしても表示されるようになるのです。そのため、幅広いキーワードに対して広告を表示させることができるのが特徴です。
絞り込み部分一致とは
絞り込み部分一致とは、その名の通りキーワードの絞り込みをすることによって、広告の掲載範囲を抑えられます。設定方法としてはキーワードの先頭に「+」を入れることで絞り込むことができます。
広告の掲載をするときに、部分一致よりも表示される範囲を抑えたいときには絞り込み部分一致の活用がおすすめです。
例えば「+渋谷 +ヨガスタジオ」で設定した場合は「渋谷 ヨガスタジオ 月謝」や「ヨガスタジオ 渋谷 おすすめ」といったキーワードが表示されます。渋谷でヨガスタジオを探している人は多くいますが、探している人によって入力するキーワードは異なります。「まずは料金やプランを知りたい」という人もいれば、「他の人がおすすめするスタジオを知りたい」という人もいるでしょう。
ただし、絞り込みすぎるとユーザーの流入を抑え込みすぎるといった特徴もあります。そのため、あまりにも強力な対策をしないことがポイントです。
除外キーワードとは
除外キーワードとは、指定したキーワードで検索されたとき、広告を表示しないように設定できる方法です。これにより、広告主が重要だと思うキーワードのみ検索したユーザーに表示することができます。
また、企業にとって不利益となるキーワードも除外できるため、企業イメージに影響を与えることもありません。
例えば、高級志向を目指すホテルであれば「格安」「激安」といった語句を除外キーワードに設定すれば、格安プランを探しているユーザーには表示されなくなります。国産品のみを扱う雑貨店であれば「海外製品」「輸入品」といった語句を除外キーワードに設定すれば、海外の雑貨を探しているユーザーには表示されなくなります。
目的としていない広告表示を防ぐことができれば、興味のないユーザーに表示されることはないので、コスト削減に繋がるなど様々なメリットがあります。
フレーズ一致の設定方法
フレーズ一致の設定方法は簡単で、指定したいキーワードを「" "」でくくることで設定することができます。
初めて設定する際には、事前に知っておきたいポイントもいくつかあるので、うまく活用するためにも設定でチェックしておきたいことについても紹介します。
除外キーワードとセットで設定する
フレーズ一致とセットで使われることが多いマッチタイプに除外キーワードがあります。セットで活用することによって、売上の見込みがない広告費を抑えることができるのです。
また、除外せずに設定してしまうと、マイナスのイメージが強いWebサイトなどにも掲載されるリスクがあります。企業のイメージを損ねることは避けたいので、必ずセットで設定するようにしましょう。
マッチタイプは複数設定できる
マッチタイプは大きく分けて5種類ありますが、1つのキーワードに対して1種類以上設定することができます。
例えば、選択するキーワードによっても異なりますが、完全一致だけだとなかなか検索されないといったデメリットがあります。
しかし、そこに絞り込み部分一致を加えれば広告が表示されるワードが増えます。このように、組み合わせて設定することでそれぞれのマッチタイプのデメリットの部分をカバーできるのです。
相性のいいタイプと組み合わせるためにも、事前にマッチタイプの特徴は理解しておきましょう。
フレーズ一致のメリット・デメリット
フレーズ一致を活用することによって得られるメリットはどのような点があげられるのでしょうか?また、どのようなことにも言えますが、デメリットの部分もあります。
ここでは、フレーズ一致の活用において知っておきたいメリットとデメリットの両方を紹介します。
広告費を抑えやすい
マッチタイプの設定で広告費を抑えたいなら、最も低コストで済む設定が完全一致です。しかし、フレーズ一致も完全一致の次に広告費を抑えられるマッチタイプです。
コストを抑えられる理由としては、特定のキーワードに絞った設定ができるからです。キーワードと意味のないものまで表示されることはないので、費用対効果は高いと言えるでしょう。
また、広告の表示は少なくても多くてもよくないとされています。例えば完全一致は少なく、部分一致は多く掲載されます。フレーズ一致はこれらの中間あたりのタイプなので、費用対効果のバランスが一番いいと言えるでしょう。
地域やエリアを絞るのにおすすめ
店舗の集客でキーワードを登録する場合、必ず必要になるのが地域やエリアの設定です。例えば「名古屋 ラーメン」のキーワードを設定するとします。フレーズ一致を活用することで「安い 名古屋 ラーメン」や「美味しい 名古屋 ラーメン」など、さまざまなキーワードを網羅できます。
このような地域やエリアを絞る際、完全一致だと膨大な数のキーワードを登録しなければなりません。また、部分一致も別地域のキーワードの広告表示がされるなど、意味のない部分にコストをかけてしまいます。
フレーズ一致はこれらのデメリットの部分を全てカバーできるので、地域やエリアを絞る対策をするときには活用してみてください。
コンバージョンの回数が減る可能性も・・・
フレーズ一致にはさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。その中でもコンバージョンの回数が少なくなるのはデメリットの部分です。
フレーズ一致は、広告表示の設定が細かくなるため、条件に当てはまらないときは表示されなくなるのが特徴です。そのため、これらのデメリットの影響をできる限り少なくするためには、キーワードの選定などが重要になります。
管理が複雑になる・・・
フレーズ一致は、部分一致などと比べると登録キーワードが増える特徴があります。数が多くなればなるほど管理は複雑になるのです。管理体制が整っていないときには、仕事量が増え負担が大きくなるのがデメリットとしてあげられます。
しかし、仕様変更によって管理の手間が減ったのも事実です。従来に比べると膨大なキーワード管理を行う必要は無くなっています。
まとめ
リスティング広告において、マッチタイプの活用は必要不可欠です。その中でもフレーズ一致はリスティング広告でよく使用されています。
フレーズ一致を活用することでさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットの部分もあります。例えば、管理が複雑になる可能性がありますし、コンバージョンの回数が減ることもあり得ます。こうしたデメリットについても理解を深めた上で、フレーズ一致を活用することが大切です。
また、フレーズ一致にはさまざまなタイプがあることも紹介しました。それぞれに特徴があり、できることが違うため、他のタイプと活用することで、より目的に合った広告の掲載を行うことができます。
これらの内容をよく理解したうえで、必要であると感じた場合には活用について検討してみてはいかがでしょうか。