マーケティング2021.04.07
目次
A/Bテストとは?
マーケティング施策の成果を改善したいと思ったらA/Bテストは欠かせません。A/Bテストとは、マーケティング施策に使用するクリエイティブの一部分を2パターン用意して一定の期間でどちらがより高い成果を出せるかを検証することです。
A/Bテストをおこなうシーンはいくつもあります。その中で専用ツールが存在するのは、サイトでのA/Bテストと、サイトへユーザーを呼び込むためのメールマガジンでのA/Bテストです。
広告はお金をかければかけるほど流入数を増やすことができ、比例してコンバージョンも増加します。しかし、サイトの画像やキャッチコピーが最適化されていなければ、コンバージョン率は低いまま、広告効率も低いままです。
一方で仮に広告費がかけられなくても、頭を使ってコンテンツ(サイト・メールマガジン)を改善することでコンバージョンは増やせます。そのコンテンツ改善のPDCAサイクルを回していくためにA/Bテストツールは必須です。
今回は、サイトのA/Bテストツール、メール配信用A/Bテストツールの機能と選定ポイントをご紹介します。
Webサイト用A/Bテストツールの機能と選定ポイント
HTML・CSSの知識が無くても、WebサイトのソースにJavaScriptタグを挿入し、あとはツール側の管理画面で操作するだけで、簡単にA/Bテストの設定ができるツールがあります。ここでは、これを指してA/Bテストツールとして紹介します。
ちなみに、無料のGoogleアナリティクスにも、A/Bテストの効果を計測する機能(ウェブテスト)があります。テストする分のHTMLファイルを自前で用意できる場合には、A/Bテストツールを導入しなくてもこれで事足りるかもしれません。まずはA/Bテストがどういうものなのかを確認したいという方は、Googleアナリティクスで無料で試してみるといいですよ。
A/Bテストツールを導入すると、パワーポイントを操作する感覚でテストしたいデザイン・レイアウトを制作できます。
・コンバージョン率・クリック率を上げる
・離脱率を下げる
・滞在時間を増やす
上記のような指標の改善を目指して、画像、見出し、リンクボタン、テキスト内容、ページレイアウトなどあらゆる要素でAとBのパターンを制作してテストをおこない効果検証をします。
各ツールの持つ機能詳細やテスト対象のドメイン数・ユーザー数によって料金が変わってきます。また、外国産のもので代理店を通して契約するツールもあり、この場合は代理店ごとにサポート内容と料金が異なります。よって、自社のサイト規模と掛けられる手間を把握した上で、各社から見積もりを取って選定を進めていきましょう。
WebサイトA/Bテストツール比較
クラウドソーシング機能
アプリでのテスト対応
世界シェア
金額
Marketing Bank掲載
Kaizen Platform
○
×
×
○
No.1
要見積もり
×
Visual Website Optimizer
×
○
○
No.2
月額費用:100,000円〜
×
Gyro-n
×
×
×
月額費用:5,000円〜
○
Kaizen Platform
自社にデザイナー・エンジニアがいなくても、同社がかかえるグロースハッカーを活用してクリエイティブ作成を外注することで、自身の手間をかけずにA/Bテストを実行できます。
価格については要見積もり。
アメリカ創業の企業ですが、経営者はリクルート出身の日本人です。
専任のサポートチームがあり企業ごとのビジネスモデルに合わせて継続的にお手伝いをしてくれるという、サポート体制の厚さも魅力です。
KAIZEN platform Inc.
Optimizely
世界シェアNo.1のツールです。
ツールの管理画面は日本語に対応していますが、それ以外(ヘルプページなど)は英語なので、代理店を通しての契約が現実的です。よって、価格も代理店により変動します。<br />
ネイティブアプリ向けにA/Bテストできる機能もあり、Webサイトとアプリのワンストップでの最適化を実行できるツールです。
Optimizely
Visual Website Optimizer(VWO)
こちらも、ツールの管理画面は日本語化されていますがそれ以外は英語なので、代理店を通す必要があります。そして、日本では株式会社アッションが独占代理店となっています。
この場合で、価格は月額100,000円から。
ヒートマップ機能が付いているのでA/Bテストの結果が視覚的に分かりやすいことが特長です。また、ページの読み込み速度が遅くならないことを謳っているので、テストツール導入によってページの表示スピードが遅くなること不安に感じている企業にはおすすめと言えます。
株式会社アッション
Gyro-n(ジャイロン)
A/Bテストの結果を自動判定してくれる機能が魅力です。データの数が統計的に有意性があると判断された時点で結果の確定を自動メールで知らせてくれます。テストを始めた後は完全自動化されます。
利用料金は表示回数でプランが分かれていて月5,000円から。初期費用はかかりません。
解析の手間を省きたい方には最適なツールです。
株式会社ユビキャスト
メール配信用A/Bテストツールの機能と選定ポイント
メールマガジンの改善目標となる指標は「開封率」と「クリック率」です。メールマガジンのA/Bテストツールでは次のような軸でテストを設定します。
・件名と差出人
・メール本文
・配信時間
・配信先のリスト
開封率アップのために件名と差出人を、クリック率アップのためにメール本文をテストします。さらに、配信するリストや配信時間によってもクリック率は変わってくるので、この軸でもA/Bテストがおこなえます。
メール配信でのA/Bテストツールは、この機能単体でのツールが存在している訳ではなく、総合的なメール配信ツールの機能の中にA/Bテストの実施・効果測定に便利な機能も有しているというパターンが多いです。
ツール選定ポイントは、「メール配信全般の機能としてどこまで求めているか」。「メール配信全般の機能が充実している」「関連機能が付加されているツール」ほど料金は高くなります。A/Bテスト以外にどこまでメールマーケティングをおこないたいのかを踏まえて選定しましょう。
メール配信A/Bテストツール比較
Web解析
無料トライアル
登録機能
ホットリード抽出機能
レコメンドメール配信
金額
Marketing Bank掲載
Benchmark Email
○
○
登録フォーム作成機能
○
×
月額費用:1,500円〜
○
MailUp
○
○
×
×
×
月額費用:4,000円〜
○
○
空メール登録機能
○(レコメンドエンジンとの連携)
初期費用:30,000円〜
月額費用:10,000円〜
○
Benchmark Email
月間250通までの無料プランがあるのでまずはお試しが可能です。
有料プランも、初期費用は0円で、小規模プランだと月1,500円から。配信先のメールアドレスは600個まで、メールの配信数は無制限のプランです。配信先が小規模である企業にとっては、圧倒的にコストパフォーマンスが高いのでおすすめです。配信先を決め打ちにすれば、メール文面のA/Bテストは無制限にできるということになります。
APIが提供されているので、顧客管理は自社開発のツールや他社ツールですでにできていてメール配信機能だけを求めている企業にとっては、API連携で効率的に利用できます。<br />
株式会社ベンチマークジャパン
MailUp
HTMLメール作成ツールが付いているのが最大の魅力です。HTMLの専門知識がない方でもドラッグ&ドロップで、見栄えのいいHTMLメールを簡単に作成できます。
高度な分析機能も特長で、どういうメール文面をどういうグループに配信するのが効果的かをスピーディーに分析することが可能です。
料金体系は、初期費用は不要で月額4,000円から。1つのメールを全配信先に対して何時間以内に配信したいか、この送信時間の誤差の長さが許容できるほど料金が安くなる仕組みになっています。30日間の無料トライアルが可能です。
株式会社インターアローズ
WEBCAS e-mail
総合通販売上高ランキングのトップ5社が導入している国産の本格メールコミュニケーションプラットフォームです。
メールにおけるマーケティングオートメーション機能まで備わっており、提供体系もASPのみならずSaaSもあり、高度なツールとなっています。メールマーケティングに長けた担当者がいる企業にとっては、その成果を一段アップできるツールです。
料金体系としては、ASP型で初期費用30,000円〜・月額費用10,000円〜です。
株式会社エイジア
A/Bテストを成功に導くポイント
A/Bテストは、各種ツールを用いればおこなうこと自体は手軽ですが、何も考えずにおこなうと効果検証ができず、PDCAサイクルを回していくことができなくなります。必ず目的を持って仮説を立てて実施するようにしましょう。
最終的な目的はコンバージョン率の向上になるわけですが、その途中に様々なフェーズがあります。「クリック率/開封率を上げたい」「離脱率を下げたい」など、細かい指標まで落とし込んで、小さな改善を積み重ねていくことが大事です。
そして、「ユーザー心理はこうだと思う」という仮説を立ててA/Bのパターンを考えましょう。この部分の熟考がないと、A/Bテストをしているのにプロモーション施策の成果が下がっていくという悪循環に陥ってしまいます。
A/Bテストにはゴールはありません。それは、成果が改善していけば、売上も拡大し続けることを意味します。ツールを活用して地道にA/Bテストを継続してきましょう。
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