Webマーケティング2021.03.31
目次
Facebook、Twitter、LINEといったSNSは今や多くの日本人が使うメジャーなツールとなりました。そのため、一般消費者を顧客としたB to C企業にとって、SNSを使ったマーケティングは当たり前のものとなりつつあります。その一方で、「B to B企業にとってはSNSを利用したマーケティングはあまり効果的ではない」というイメージが残っているのも事実です。
実際にはどの程度のB to B企業がソーシャルメディアを活用しているのか? 実は2015年7月にガイアックスのビジネスマーケティング部門が公開した「企業のWeb担当者330名に聞いたマーケティング実態調査」が、そうした情報を明らかにしています。今回の記事ではこの調査結果をもとに、B to B企業のソーシャルメディア活用状況と、今後の課題について考えてみます。
※調査方法:
・2か月間のインターネットリサーチを利用し実施
・売上規模20億円以上のB to B企業でWebマーケティング関連業務に従事する方々が対象
・調査地域は全国47都道府県
・有効回答数:330
B to B企業のSNSの利用率は68.9%
最初に押さえておきたいのが、「ソーシャルメディアを活用していますか?」という質問に対する回答です。ここでいう「ソーシャルメディア」とはFacebook、Twitter、LINE等現在利用可能なすべてのSNSを指しています。それぞれのツールの利用分布については、この後の項目でお伝えします。
この質問の回答結果は、「利用している」が68.9%、「利用していない」が31.1%となりました。B to C企業ではSNSを利用することが当たり前となりつつある現状を踏まえると、3割以上のB to B企業がSNSを利用していないということは、やはりB to Cと比べてかなり普及が遅れているといえそうです。
B to B企業においてSNSの利用が遅れている理由はいくつか挙げられますが、大別すると以下の2つが挙げられます。
(1)SNSは基本的に個人ユーザーが利用するもので、企業が顧客であるB to B企業にとっては親和性が低い(と思われている)。
(2)Facebookでは「いいね!」が集まるような面白い記事を投稿することが望ましいが、商品が地味なものであることが多いB to B企業の場合、読み手を引きつける記事を書くのが難しい傾向がある。
もっとも、実際にはB to B企業の7割近くがすでにSNSを利用しているわけですし、Facebook等を利用したマーケティングで多くのユーザー閲覧を獲得し、利益アップやブランディングに成功している企業も少なくありません。今後はB to B企業のSNS利用率も徐々に上がっていくことが予想されます。
最も効果の高かったSNSは、Facebook
「ソーシャルメディア活用で効果の高かったものを教えてください。」という質問に対する回答は、次のようになっています。
・Facebook 57.1%
・Twitter 37.5%
・LINE 29.7%
・Google+ 23.0%
・Instagram 12.5%
・Mixi 10.5%
・Pinterest 9.5%
・LinkedIn 9.5%
・WhatsApp 8.1%
・Snapchat 7.1%
・Tumblr 7.1%
ごらんのとおり、やはり1位はFacebook。公式なイメージが強く、企業の利用も多いメディアであることから高い効果が実感できているようです。その後に続くのが、爆発力のあるTwitter、そして日本で圧倒的なユーザー数を誇るLINE。少し意外なところでは写真の投稿がメインとなるInstagramも5位に入っています。それぞれのSNSを、B to B企業はどのように運用しているのでしょうか。
活用方法がちょっと見えにくい「LINE」「Instagram」「Pinterest」を中心に、実際にどのような運用が行われているのか見ていきましょう。
LINEを活用したB to Bマーケティング
LINEは今や日本では老若男女を問わず利用されているメッセージアプリ。LINE@の活用、ECとの連動といった機能も充実しており、B to Cの分野ではすでに広く利用されています。
B to Bの分野ではまだまだFacebookなどにかなり遅れをとっているのが現状ですが、最近では企業ブログでLINEボタンを設置しているのを見かけることも増えてきました。LINEを使って気軽にユーザーとコミュニケーションがとれるのは魅力的ですし、今後は「販促ツールとしてLINEスタンプを活用する」「LINEで情報を拡散する」といった利用方法も考えられるでしょう。
まとめ
さて、今回の記事ではB to B企業によるソーシャルメディアの利用状況を分析しましたが、いかがでしたでしょうか。後編ではInstagram、Pinterestの利用状況と、その課題について考えてみたいと思います。