BtoB企業のリードスコアリングにおける9つミス(前半)

BtoB企業のリードスコアリングにおける9つミス(前半)

Webマーケティング2021.03.31

目次


こんにちは。[本気ファクトリー株式会社]取締役 畠山和也です。Marketing Bankでは、BtoBマーケティングに関する最新情報やノウハウを連載でご紹介しています。


マーケティングオートメーションツールを使ってリードを管理するにあたって、「リードスコアリング」は欠かせません。顧客の属性やステータス、サービスサイトの閲覧状況など、さまざまな切り口でスコアを設定することで、「そのリードはアツいのか」を自動で判断するのです。


しかし、今まで各営業担当者などが頭の中で判断していた「案件のアツさ」を適切にスコアに落とし込むのは難しいものです。スコアリングが現場の感覚と合っておらず、せっかくリードをマーケティング部門から営業担当者に渡しても、「全く案件化しなかった」ということもよく起こります。


そこで、「リードスコアリング」に関して、アメリカにあるSpear Marketing Group代表のHoward J. Sewell氏の記事から抜粋して、皆様のもとでも起こりうるミスについて紹介したいと思います。


これからスコアリングの設計をされる方、すでに設計はしたものの、営業からの反応が悪い方に、今回の記事がお役に立てると思います。


1. デモグラフィックスコアと行動スコアを分けない


「デモグラフィックスコア」とは見込み顧客の属性に対してつけるスコアであり、BtoBにおいては「社長」「部長」「一般社員」などの役職や「営業」「人事」「総務」などの部門で点数がつけられることが一般的です。


一方で、「行動スコア」は資料ダウンロードやWEBサイト上の価格表ページ閲覧、セミナー参加や、WEBサイトへのアクセス頻度などで点数を付けていきます。


つまり、デモグラフィックスコアは自社にとってその顧客がどれだけ利益につながりそうかを判断する自社目線のスコアであり、行動スコアは各リードがどれだけ自社に興味をもっているかを表すスコアだと言えます。


どちらか片方のスコアだけで、リードの質を判断してしまうのは、失敗のもとです。たとえば、社長という役職だとデモグラフィックスコアが高く、わずかな行動スコアでホットリードとして上がってくるかもしれません。しかし、同じ会社の一般社員の行動スコアが高い場合があれば、見込み度合はこちらの方が高いと言えるかもしれません。これを見逃さずに営業に渡すことが重要です。


2. スコアの減点の仕組みがない


ある特定の行動(WEBページを閲覧したり、ウェビナーに参加したり)に対してポイントを与えるとしても、そのスコアを永遠に付与したままにしておくのはNGです。先週ウェビナーに参加した人の価値は、1年後も同じではないからです。


しかし、多くのリードスコアリングの構造では、時間の経過とともにスコアが低下することはなく、スコアが増え続けてしまっています。解決法としては、キャンペーンの「有効期限」と「期限が切れたキャンペーンは減点する」仕組みを取り入れることです。


3. 誤った「非アクティブキャンペーン」


スコアを減点する仕組みを導入することの重要性は、前項でもご紹介しました。ここで「すでに減点の仕組みはあるから大丈夫」と思った方も注意が必要です。以下のような「間違った減点方法」を採用してしまっているケースもあるからです。


たとえば「3ヶ月間何も行動しない見込み顧客」を「非アクティブキャンペーン」によって減点するとしている場合、その3か月の間に見込み顧客が1ページでもWEBサイトを見たり、メールを開封したりさえすれば、非アクティブキャンペーンによって減点される機会がありません。つまり、永久に加点されてしまうのです。


こういった大雑把な減点方法を使っていると、リードスコアリングは機能しにくくなってしまいます。前項で紹介したような、「スコアの有効期限を定める」方法をぜひ検討してみてください。


まとめと次回予告


今回はマーケティングオートメーションツールでよくある「スコアリング」に関して、よくあるミスをご紹介しました。次回は残りの6つをご紹介したいと思います。


畠山和也


[本気ファクトリー株式会社]代表取締役 ソフトバンク・リクルートで営業現場・新規事業の立ち上げ、ラクスルなどでWEBマーケティングの実務を経験し2014年独立。「固定客をつくる根雪マーケティング」をコンセプトにデジタルマーケティングのコンサルティングを提供。