業務効率化2021.03.08
目次
働き方改革により「業務改革」、「業務改善」、「業務効率化」などの言葉をよく耳にするようになりましたが、これらの言葉に違いがあることをご存じでしょうか?
すべて業務とつくので、業務をよくすることなのはイメージできると思いますが、それぞれ何を意味しているのでしょうか。
ここでは改めてこれらの意味の違いについてご説明します。
業務改革とは
業務改革の目的
業務改革のことをBPR(Business Process Re-engineering)といいます。
その目標は職務や業務フロー、情報システムなどの業務プロセスを根本的に考え直し、抜本的な改革をすることで組織全体の目標に向かって、一から再構築することです。
これは既存のビジネスモデルを効率よくするためのものなので、DX(デジタルトランスフォーメーション)のような新規のビジネスモデルを作り出すものとも異なります。
改革の対象
改革の対象は組織全体、または一部の業務プロセスで、その範囲は広範囲にわたります。
また、業務プロセスに加えて、そこに関わる情報システムにも改革を実施することが必要です。
プロジェクトの規模・期間
比較的大規模なプロジェクトになるため、期間が1年以上かかるケースもあります。
業務改善とは
業務改善の目的
実際に作業をしている担当者が小さな工夫を積み重ねて、業務効率や作業のしやすさを上げていくことを目指します。
改善の対象
ごく一部の業務が対象となることが多く、小さい範囲で繰り返し行われることが望まれます。
そのため必ずしも情報システムを巻き込む必要があるわけではありません。
プロジェクトの規模・期間
一つ一つの改善策は大きいものではないため、長くても1か月程度で完了するものが多いです。
どちらかというと、完了後の運用においてその改善策が正しいか否かをきちんと精査・判断する必要があります。
このように業務改革も改善も、業務に着目して業績を上げるための手段ではありますが、その対象や範囲、規模、目的は異なるものです。
業務改善は作業担当者がとりあえずやってみようで始められますが、改革は経営陣を巻き込んで、全社で取り組むプロジェクトとして進める必要があります。
業務効率化とは
業務効率化は、前の2つのようなアプローチ手法ではなく、最終目的である利益を得るための中間の目的です。
たとえば、この部門の利益を上げるために、この業務の効率化が必要となったとき、そのために業務改革と業務改善のどちらの手法を取るかということです。
その目標を達成するために、担当者単位の小さな改善で達成できるのか、それとも会社全体で抜本的な改革が必要なのかを考える必要があります。
業務改革を進めるポイント
業務改革のゴールを明確に
大規模で長期間のプロジェクトとなる業務改革は、ゴールを明確にしていないまま進めてしまうと、計画の途中でブレが生じる可能性が高くなります。
まずは、計画の段階で何を目標にするのかを明確にしておく必要があります。
共有する
業務改革は提案者などの一部だけではできません。あらゆる部署や業務を巻き込む必要があるので、そこに関わる現場担当まで、このプロジェクトに関わる人すべてが改革の必要性や目的、現在の業務や状況などを事前に共有する必要があります。
できることから徐々に始める
業務改革には多くの時間と労力がかかるので、社内の士気を高める必要があります。
そのため小さな業務改善施策を組み合わせて、全体を一から再構築する業務改革へつなげていくことで、士気を保つことが有効です。
また全社で一気に改革に取り組むことにはリスクが伴います。改革を進めるのも、最初は小さな範囲で実践から、業務改善の小さな成功を積み重ねて、そこから拡大していくことがポイントです。
2つの手法をうまく組み合わせて使い分けることで、目標を達成しやすくなります。
PDCAサイクルを取り入れる
業務改革を一度で成功させることができれば、おそらく誰も苦労はしないでしょう。
また1日にして成るものでもないので、成功や失敗の要因を必ず分析し、PDCAサイクルを取り入れて、何度も繰り返していくことが重要です。
計画を何度も練り直し、最終的に改革が達成できるようにしましょう。
まとめ
ここでは基本的な語句の違いから、業務改革の際のポイントを確認しました。
語句のそれぞれ意味するところの違いはありますが、すべては業務効率化から利益を上げることにつながっています。
業務の効率化は今後さらに推進が求められるようになると思いますので、それぞれの手法からどのようにアプローチしていくか検討されてみてはいかがでしょうか。
業務効率化の手順はこちらの記事でご紹介します。
「とりあえずで始めると失敗する?!業務効率化のメリットと注意点」