ECサイトでレコメンドエンジンを効果的に活用するための4つのポイント

ECサイトでレコメンドエンジンを効果的に活用するための4つのポイント

Webマーケティング2021.03.31

目次


ECサイトのコンバージョン向上に欠かせないレコメンドエンジン。導入を考えているものの、様々な種類のレコメンドエンジンの中で、どんなポイントを押さえて検討すればよいのか十分に理解できていない人も多いのではないでしょうか。


今回は、レコメンドエンジンを効果的に活用するためのポイントについてまとめました。


レコメンドエンジンとは


レコメンドエンジンは、特にECサイトなどで「おすすめ」を表示するのに用いられる技術です。「この商品を買った人には◯◯がおすすめ」「この商品をみた人は◯◯もみています」といった形で、おすすめの商品をレコメンドします。


レコメンド機能を実装するのに、用いられるのがレコメンドエンジンです。


例えば、Amazonでは次のような表示がされています。


次に、レコメンドエンジンを効果的に活用するためのポイントを紹介します。


レコメンドエンジンを効果的に活用するための4つのポイント


1. 商品知識を明文化する


ECサイトにおいて、レコメンドエンジンを利用して訪問したユーザに最適な接客体験を提供するためには、「商品知識を明文化する」という作業が重要です。


商品名、メーカー、価格、ジャンル、サイズ、色などのほか、「今話題の商品」や「こういった人に好まれる」などの情報まで、商品の情報は多岐に渡ります。


ECサイトでは、商品情報のみでなく、商品をお客さんに提案するための知識と経験をサイト上で実現することが必要です。


例えば、正式な商品情報のみで「◯◯はありますか?」という相談には答えられますが、「△△に使うものは何が良いでしょうか」という相談に回答することは難しいです。


実際の店舗での接客と同様に「経験」についてもテキスト化することではじめて、レコメンドエンジンを利用して商品をおすすめすることが可能になります。


2. ECサイト内の検索情報をユーザの深いニーズ把握に活用する


ECサイトの場合、実店舗と比較してお客さんを知るために出来ることが限られています。


そのため、ユーザの性別・年齢・来店時の服装・同伴者・閲覧履歴・購買履歴などの一般的な顧客情報以外に、ECサイトの「検索窓に入力された情報」を活用することが重要です。


検索窓に入力された情報には、お客さんが能動的に「こういったものを探している」という具体的な相談ニーズが含まれています。


実店舗の場合であれば、「迷っているようだ」とか「見つからなくて困っているようだ」という状況を察知して、接客に活かすことができます。


ユーザの深いニーズを理解してレコメンドエンジンを利用することで、迷っている、困っている人に対して適切な情報を提供できるようになります。


3. ユーザと商品のマッチング精度を高める


ユーザと商品のマッチングを検討する際は、その前提として商品とユーザ、双方についての深い知識や理解が必要です。


商品知識に関しては、日々の勉強によって高めていき、それを明文化する作業を欠かさないことが重要です。


ユーザの情報に関しては、完全に把握することは厳しいです。ECサイトの場合、ユーザと商品のマッチング精度についてレコメンドエンジンを用いて高めるためには、実店舗での接客以上に「ユーザを知る努力をする」ことに加え、「知りえたユーザ個々の情報を活用する」ことが必要です。


4. 商品特性に応じて適切な商品提案の「タイミング」を見極める


ECサイトの場合、上の3段落で触れたマッチング内容をWebサイト内で表現するためには、ナビゲーション、検索結果、レコメンドエンジンの精度を高めていくことが重要です。


ナビゲーションは、実店舗での作業にたとえると商品の「陳列」作業にあたります。


同様に、検索結果とレコメンドエンジンは、実店舗における「接客」にあたります。


ユーザに相談された内容に回答するのが検索結果の役割とすれば、ユーザに近づいていき、オススメするのがレコメンドエンジンの役割にあたります。


ECサイトにおけるナビゲーションと、実店舗における陳列の違いは、パーソナライズできるかどうかです。


実店舗における陳列は、どのお客さんに対しても同じ商品配置になります。ECサイトにおけるナビゲーションは、ユーザによって商品配置を変化させることが可能です。


また、様々な商品は、ジャンルによって「万人向けの商品」と「個人差が大きい商品」に分かれます。


そのため、緩やかなパーソナライズによる提案に適したナビゲーションは、万人向けの商品を提案することに活用します。


反対に、深いパーソナライズによる提案に適した検索結果・レコメンドエンジンは、個人差の大きな商品の提案に活用します。


個人差が大きな商品の中でも、特に「その人には常時オススメできるもの」と「今こそオススメしたいもの」の2種類に対しては、検索結果をレコメンドエンジンで反映する接客の重要度が増します。


ECサイトにおけるレコメンドエンジンを活用した商品提案は、ユーザに合わせた最適な「タイミング」の商品を提案することも重要になります。


2種類のレコメンドエンジン


レコメンドエンジンには、「ASP型」と「パケージ型」という2種類の形態があります。それそれの特徴を簡単に紹介します。


1. ASP型の契約形態  


・導入にかかる時間:短い


・サーバの準備:不要


・初期費用:安い


・カスタマイズの自由度:低い


2. パッケージ型の契約形態  


・導入にかかる時間:長い


・サーバの準備:必要


・初期費用:高い


・カスタマイズの自由度:高い


初期費用が安く導入も手軽なASP型は中小企業でも導入しやすいです。一方、大企業などで大型のWebサイトを構築する場合は「パッケージ型」を選択する場合もあります。


ASP型とパッケージ型、両方の特徴を理解した上で、自社のニーズに合った契約形態を選ぶことが大切です。


まとめ 


今回は、ECサイトにおけるレコメンドエンジンを効果的に活用するポイントについて紹介しました。


必要なポイントを押さえているかどうかで、レコメンドエンジンの選択や導入後の効果が変わってきます。


レコメンドエンジンの導入を検討している場合は、必要な知識やポイントを見直しつつ、自社の目的に合った最適な選択をしていきましょう。