Facebookの効果測定におけるKPI設定のポイントとは

Facebookの効果測定におけるKPI設定のポイントとは

Webマーケティング2021.03.31

目次


Facebookは今や、企業のマーケティング活動に欠かせないツールとなりつつあります。しかし、リスティング広告等と比べてコストを低く抑えられる一方で、短期間で成果が見えにくく、効果測定が難しいという声が聞かれるのも事実。Facebookの長期的な運用において、どのように効果測定を続けていけばよいのか。また、その際にどのようなKPIを設定するのがよいのか、今回の記事でお伝えします。


Facebookの効果測定における主な指標とは?


Facebookの具体的な効果測定方法について説明する前に、まずはFacebookにおいて効果指標として使われている数値にどのようなものがあるのか、概略的に見ていきましょう。


(1)Facebookページへの「いいね!」数(=ファン数)


整理しておく必要があるのは、Facebookには2つの「いいね!」が存在することです。1つは個々の投稿に対して行われる「いいね!」、もう1つは企業のFacebookページに対して直接行われる「いいね!」です。ここで指しているのは後者の「いいね!」。Facebookページそのものに「いいね!」をしたユーザーのニュースフィードには、ページから発信される情報が表示されるようになるため、効果測定にあたっては個々の投稿に対する「いいね!」よりも重要度が高いといえます。


(2)「純いいね!」数


企業がFacebookページに対する「いいね!」の数をカウントする際、ポイントとして押さえておきたいのが「純いいね!」という考え方。Facebookの「いいね!」数を表示するページでは、新しい「いいね!」の数と「いいね!取り消し」の数が表示されますが、一番重要なのは新しい「いいね!」の数から「いいね!取り消し」の数を差し引いた「純いいね!」の数。この数値から、「いいね!」の純増数を知ることができます。


(3)リーチ数・リーチ率


Facebookページの投稿を閲覧したユーザー数を「リーチ数」といいます。この数値が高まるほど、たくさんのユーザーに投稿を見てもらえたことがわかります。そして「リーチ率」は「リーチ数」を「ファン数」で割ったもの。どれだけのファンが投稿を見てくれているかを測れます。


(4)エンゲージメント数・エンゲージメント率


エンゲージメントとは「約束」「婚約」等の意味を持つ言葉ですが、Webマーケティングの世界ではユーザーのコンテンツに対する好意の度合いを指す指標となります。Facebookにおけるエンゲージメントは、


・いいね!


・リアクション(いいね!以外のボタン群のこと)


・コメント


・シェアまたはクリック


となっており、これらのアクション数を「投稿のリーチ数」で割った数値として導き出されます。


投稿に反応してくれるということは、ユーザーに好意をもって受け入れられている可能性が高いと言えます。エンゲージメント数が多い、率が高いアカウントは、ファンとの繋がりが強いと判断できます。


(5)流入数


広告や投稿に貼り付けられたリンクをクリックし、企業のWebサイトなどに流入したユーザーがどれだけいるのか。それを現したのが「流入数」です。自社サイトへのアクセス増加を目指していたり、広告効果を測定したりする上で欠かせない指標です。


有効なKPI設定のポイント


ここまででFacebookにおける主な評価指標を紹介してきました。次に、これらの数値をどのように用いてKPI(=施策の目的達成基準)を打ち出すかを考えてみましょう。


たとえば「オーガニックで月間10万リーチ」を目標として設定した場合、


・3カ月以内に月間2万4000リーチ


・6か月以内に月間5万リーチ


・9月以内に月間7万5000リーチ


という数値が具体的な目標として算出されます。


しかし、リーチ数以外にも、KPI設定時に使うべき指標はたくさんありますし、Facebookマーケティングの目的によっても、その選択は変わります。その一例を挙げると、以下のようになります。


(1)認知拡大を目的としたFacebookページ:「リーチ数」と「ページいいね!数」


(2)顧客ロイヤリティの向上を目的としたFacebookページ:「エンゲージメント数」


(3)サイトへのアクセス数増加を目的としたFacebookページ:「流入数」


上記を参考に目的に沿ってKPIを選べば、意味のない効果測定をしてしまう心配はないでしょう。


数字に惑わされないために!Facebookの効果測定における2つのポイント


Facebookの効果測定における目的別のKPIの設定方法はご理解いただけたかと思います。


しかし、Facebookのように長期的な運用を前提としたマーケティングの場合、「算出された数値をどのように評価するか」を正しく押さえておかないと、現れた数字に対して必要以上に一喜一憂してしまうことになります。そうならないために、次の2つのポイントはぜひ知っておきたいところです。


ポイント(1)「絶対値」と「率」の違いを知る


たとえば「リーチ数」や「フォロワー数」は、「絶対値」で表される数値。それに対し、「リーチ率」や「エンゲージメント率」は「率」で現れる数値です。


これらは一見似たものに見えますが、長期的な運用においては大きな違いがあります。リーチ数やフォロワー数といった絶対値で表される数値は、理論上、長期的に上がり続ける可能性があります。しかし、リーチ率やエンゲージメント率のように割合で表される数値は、一定の水準に達した後は爆発的に上がることを期待できません。目標数値を設定する際にも、この性質の違いを踏まえておく必要があります。


リーチ率やエンゲージメント率が際限なく上がっていく前提で目標を設定してしまうと、結果として達成不可能な数値になってしまうので気をつけてください。


ポイント(2)長期的なスパンで数値を評価する


FacebookをはじめとするSNSは、1コンテンツをバズらせれば爆発的に数値が高まる可能性を秘めています。しかし、それゆえに日ごと、月ごとのデータの変動が大きく現れる傾向があり、単純に「先月比」などの短期的な数値で評価を下してしまうのは危険です。半年以上の長いスパンで数値の推移を見て、反響の良しあしを判断することが大切です。


まとめ


せっかくFacebookでどれだけ素敵なコンテンツを配信しても、肝心の効果測定がきちんとできていなければどれだけ成功したのかわかりませんし、長期的にファンを引き付けることも難しくなります。SNSの運用は、とにかく長期的な視点を持ってじっくり行うのが一番。効果測定と改善を繰り返しながら気長に続ければ、きっと成果が出るはずです。