Facebook広告の効果を検証するなら、コンバージョンリフトが最適

Facebook広告の効果を検証するなら、コンバージョンリフトが最適

Webマーケティング2021.03.31

目次


広告の効果測定というのは、昔から難しいものとされてきました。


Webマーケティングの登場により、様々な数値をかなり細かく調査・分析することができるようになりましたが、それでもやはり、「実際、広告を配信した場合としなかった場合でどれだけ効果が違ったのか」というのはわかりにくいもの。ところがFacebook広告の場合「広告を見たことによりどれだけの効果があったか」を測定できる「コンバージョンリフト」を利用することができます。


今回の記事では、コンバージョンリフトの内容とそのメリットについてお伝えします。


コンバージョンリフトとは何か


コンバージョンリフトとは、ターゲットとなるユーザーを「広告に接触した人」と「広告に接触しなかった人」の2グループに分類し、それぞれのコンバージョン率を比較する効果測定方法です。今回取り上げるFacebook広告以外では、GoogleやTwitterでも導入されているシステムです。このコンバージョンリフトを使うことで、「広告を配信することでどれだけアクションを起こすことができたのか」を明確に知ることができます。


Facebook広告におけるコンバージョンリフトのメリット


Facebook広告のコンバージョンリフトでは、単に「広告接触グループ」と「非接触グループ」の効果の違いを測定するだけではなく、さらに便利な機能を備えています。


たとえば、Facebook広告では、他社の広告との比較をしたり、同じ目的で展開した自社の複数の広告キャンペーンの効果測定・比較をしたりもできます。これにより、相対的な広告の効果も知ることができます。


また、POSデータなどオフラインのデータと結びつけることができるのも、Facebook広告におけるコンバージョンリフトの特長。たとえば、「スマホでキャンペーンを見た人がその後、実店舗でその商品を購入したケース」なども測定できます。異なる購買チャネルをまとめて検証できることは、従来型の広告検証システムにはない強みといえます。


さらに、Facebook広告のコンバージョンリフトでは、ユーザーのデバイスを計測することもできます。


スマホやタブレットが普及した現代のユーザーは、「外出先でスマホを使って広告を見た後、自宅のパソコンでその商品を購入する」という行動パターンが考えられます。従来の効果測定技術ではこうしたケースの広告効果を測定することが困難でしたが、Facebookの場合はID単位でユーザーを認識することが可能です。そのため、こうした「スマホ・PC」といった異なるデバイスで行った購入行動も測定することができるわけです。


コンバージョンリフトの成果


では、実際のところFacebook広告はどの程度実質的な効果をもたらしているのでしょうか。Facebookは「Facebook広告へ出稿がどれだけユーザーの検索に影響を与えているか」を調査するため、2015年に展開された[23のキャンペーンに対するコンバージョンリフトのメタ分析]を行いました。


その結果、Facebook広告には確かな効果があることがわかりました。広告に接触したユーザーの多くがその後検索を行っていたのです。特に、モバイルでのトラフィック増加が顕著にみられたといわれています。


ちなみに[Facebookが発表した実際の事例]としては、以下のようなものが挙げられます。


・Open College(オーストラリアの大手オンライ学習ソリューションプロバイダ)


「コンバージョンリフトで自社の複数のキャンペーンを比較し、どの広告が生徒獲得に効果を出したか実証できた」と語っています。


・キャリアトレック(転職サイト)


「ユーザーに通常の広告のみ見せた場合」と「動画広告を事前に見せた場合」でコンバージョンを比較。動画広告を使用した場合のほうが高い効果を出せることを実証しました。<br>


・Westwing(ドイツのショッピングクラブ)


同社の場合、コンバージョンリフトで検証したのは「リンク広告とカルーセル広告のどちらが会員登録効果が高いか」。カルーセル広告のほうが高い効果を出すことができたと判明しました。<br>


コンバージョンリフトの使い方


このように大きなメリットを生み出すFacebook広告のコンバージョンリフトですが、現時点では利用するのにいくつかの条件を満たす必要があります。まず、コンバージョンリフトの利用を希望する企業は、Facebookの営業担当者と直接やり取りを行います。そのうえで、下記の条件が満たされていれば、利用できるという仕組みです。


・統計的に有為で正確な結果を得られる規模の、開始前のキャンペーン


 ※つまり、一定規模のターゲットを対象としたキャンペーンを実施する必要があります


・コンバージョンデータ(Facebookピクセル、アプリイベント、メールアドレスのいずれか。オフラインのコンバージョンを対象とする場合は電話番号)


上記の条件のうち、特に「一定規模のターゲットを対象としたキャンペーン」を実施するためには、企業側にもある程度の規模が求められます。そのため、今のところ利用できる企業は限定されることになります。


まとめ


「広告の効果測定を正確に行いたい」という、広告運用者の夢を現実にするFacebook広告のコンバージョンリフト。今はまだすべての企業が使える状況ではありませんが、これまでの効果測定とは一線を画す手法として、今後のスタンダードとなっていく可能性があります。利用できる条件にある企業は、ぜひお試しになってみてはいかがでしょうか。