GAS(Google Apps Script)とは?基本知識から始め方、活用方法まで解説

GAS(Google Apps Script)とは?基本知識から始め方、活用方法まで解説

Webマーケティング2021.03.31

目次


GASは、Googleが開発する、JavaScriptベースの無料で利用できるプログラミング言語です。比較的簡単かつ低コストで学習できて便利な点が特徴です。


本記事では、GASの定義と特徴・連携可能なサービスについて解説します。GASの始め方と活用例も紹介するので、参考にしてみてください。


GAS(Google Apps Script)とは?


GASは「Google Apps Script」の略で、Googleが無料で提供するJavaScriptベースのプログラミング言語を指します。GASはGoogleや外部のあらゆるサービスやツール・アプリを連携させ、業務効率化を実現する機能を持っています。


Googleのサービスには「カレンダー」「Gmail」「Googleスプレッドシート」など、さまざまなサービスがあります。個人利用からビジネスでの利用まで幅広く使えるこれらを、まとめて操作できるのがGASです。


GASはコストを抑えつつ学習でき、プログラム言語の中では比較的簡単に習得できる言語でもあります。


GASはGoogleだけでなく外部のさまざまなツールやサービス・アプリとの連携ができるため、ニーズに応じて自由自在に活用できます。


GAS(Google Apps Script)の特徴


GASにはどのような仕組みや特徴があるのでしょう。ここでは、GASの5つの特徴を紹介します。


料金は無料


多くのGoogleが提供するサービスと同様に、GASは無料で使用できます。無料でGoogleアカウントを作成し、パソコンとインターネット環境を整えれば活用できるため、GASを使用する敷居は低いと言えます。


ただ、勉強する時間と労力、そして必要に応じて参考書を購入するなど、ある程度の費用がかかる点は押さえておきましょう。


10年以上前のJavaScriptの規格


GASのベースとなるJavaScriptは、10年以上前の規格である「ECMAScript3(JavaScript1.6)」です。そのため、新型のJavaScriptには疎くても、かつてJavaScriptの習得経験がある方にとってGASは利用しやすく感じるのではないでしょうか。


Googleサービスとの連携


GASはあらゆるGoogleサービスとの連携ができます。Googleの他のサービスとの連携については後述します。


外部サービスの連携


GASはLINEやTwitter、各種チャットツールなどGoogle以外の外部サービスと連携ができます。


すぐに挑戦できる開発


一般的なプログラミングには、開発環境の整備が欠かせません。しかしGoogleのサーバー上に実行環境があるGoogle Apps Scriptにとっては、開発環境もインストールも必要ありません。


加えてGoogleのサーバーでGASを実行するため、自身のブラウザの動作に関わらず、自動的にGASを動作することが可能です。


GASの活用により、見積書や請求書・契約書などの書類を自動生成するアプリや、社内でのプロジェクトを管理するアプリが容易に開発できます。


GAS(Google Apps Script)と連携できるサービス 


先述の通り、GASではGoogleが提供する色々なサービスやツールとの連携が可能です。


Googleアプリ


GASと連携できるサービス・ツールの例を紹介します。


・Googleカレンダー


・Googleドキュメント


・Googleスプレッドシート


・Gmail


・Googleハングアウト


・Googleドライブ


・Googleメモ


・Googleスライド


・Googleフォーム


・Googleマップ


・Googleフォーム


・Google翻訳


GASの利用により、複数のGoogleアプリの組み合わせが可能です。Googleアプリの組み合わせによって、次のようなことが可能になります。


・フォームxGmail:アンケートフォームに回答があった際に、メールで通知を行う


・GoogleスプレッドシートxGoogleマップ:Googleスプレッドシート上に記されている住所をGoogleマップのURLに変換する


・GoogleスプレッドシートxGoogleドキュメント:Googleスプレッドの内容のGoogleドキュメントへの出力ができるため、Googleスプレッドシートに入力した予定の一括登録などが可能


Googleが提供しているサービス以外との連携


GASでは、チャットツールを含めた外部アプリとの連携が可能です。


Google以外の外部サービスとGASの連携は、それぞれのWebサービスが提供するAPIなどの使用により実現します。


外部サービスとは幅広く、ChatworkやSlack・Microsoft TeamsなどのチャットツールやTwitter・LINE・Trello・IFTTTなど例を挙げれば尽きません。


GASとの連携により、例えばGoogleカレンダーに記入した予定をSlackに自動的に定めた時刻に送ったり、Googleスプレッドシートに設定した条件に従ってアラートをChatworkに送付したりすることもできます。


またGASとTwitterの連携によって、GASから直接のツイートやタイムラインの取得が実現できます。Googleスプレッドシートの集計機能を活用することで、ツイートを読んでもらいやすい時間帯をグラフ化したりすることができるようになります。


GAS(Google Apps Script)の始め方


ここでは、GASの始め方を確認しましょう。GoogleドライブまたはGoogleのサービスの2通りの方法からGASを起動することができます。そのため、Googleドライブから、次にGoogleサービスからのGASの始め方を解説します。


GoogleドライブからGASの起動


①まずは、Googleドライブにアクセス・ログインします。


②左側にあるメニューの「新規」をクリックします。


③「新規」をクリックして表示されるリストから「その他」を選択してください。


④「その他」をクリックして表示されるリストから「Google Apps Script」をクリックします。


⑤無事にスクリプトエディタが起動します。


⑥スクリプトエディタに実行したいコードを書き込めば完了です。コードの入力後は、「実行」をクリックし、ファイルに任意の名前をつけましょう。


GoogleサービスからGASの起動


ここではGoogleスプレッドシートからの起動を例として説明します。


①まずは、Googleスプレッドシートにアクセスします。


②「空白」をクリックします。


③始めに「ツール」を、続いて「スクリプトエディタ」を選びます。


④GASの起動


GoogleドライブからのGASの起動と同様に、無事GASの立ち上げができました。続く手順は、GoogleドライブからのGASの起動と全く同じです。


GAS(Google Apps Script)の活用方法


ここでは、GASの9つの活用事例を確認します。


①プログラムの自動化


GASを活用すると、あらゆるプログラムの自動化が可能です。GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントなどにおける表やグラフの作成、規定のフォーマットへのドキュメントの整理などを自動で行うことができるようになります。


②自動送信・自動返信・自動転送


Gmailの自動送信や返信・転送、またGoogleカレンダーの内容を自動転送することで、チーム内での共有が可能です。日付に応じて、営業日か否かの返信も行ってくれます。


③アンケートの作成


フォーム機能でアンケートを作成・配布し、収集したデータをGoogleスプレッドシートに自動で入力・分析してくれます。


④オリジナル関数の活用で効率化


Googleスプレッドでオリジナル関数の作成することで、業務の効率化を図ります。


⑤短縮URLの作成


URLから短縮URLの作成ができるので、TwitterやWebサイトにリンクを載せる際に便利です。


⑥GoogleマップのURLの生成


住所からGoogleマップのURLを作成するため、企業の所在地などをリンクとしてメールで送付ができます。


⑦予算やCPA管理


数値が一定以上になった場合に、アラートメールの送信が可能なので、広告レポートでの予算やCPA管理にもGASを活用可能です。


⑧Webサイトのデータ収集


GASのimportxml関数を活用すると、Webサイトのデータは簡単に集められます。Googleのサーバー上で行うGASを利用したデータ収集には、自身のサーバーも不要です。


例えば、GASを使って特定の商品の情報・価格や企業の住所・電話番号等を収集することができますし、GoogleサービスとGASを連携することで、収集したWebサイトのデータを共有することも可能です。


⑨Webアプリケーションの開発


GASには、開発したWebアプリケーションをオンライン上で公開する機能が付帯しています。そのため、Webサイトを同時に作成することにより、自身が開発したツールや機能をアプリとして社内で容易にシェアすることができます。


また、独自に発行されるURLをシェアすれば、誰でもアプリにアクセスできます。


Webサーバーの用意が不要なGASは、とてもwebアプリケーションの開発が簡単です。JavaScriptがベースとなっているGASですが、ご希望に応じてHTML / CSSを開発用エディタとしても利用できます。


まとめ


本記事では、GASの定義と5つの特徴・連携できるサービス・始め方や活用事例を紹介しました。


GASはプログラミング言語の中では習得しやすく、かつ初期費用もかかりません。使えるようになれば便利で拡張性が高いので、ぜひ活用方法を学んで利用してみてください。