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Webマーケティング2021.03.31
目次
WebページがGoogleなどの検索上位に表示されるためには、ユーザーの検索ニーズを理解し、適切なSEO対策が重要になります。その中でも、記事の目的にマッチしたキーワード選定は、最も重要なポイントです。
この記事では、SEO対策として有効なキーワード選定の極意ともいえる、キーワードの選び方について解説し、選定時に活用できる便利なツールを紹介します。
新たにサイトを立ち上げる際、まずはサイト全体の目的を明確にします。そして、その目的に合わせたキーワードを選定しましょう。キーワードの設定にあたっては、検索ボリュームを意識することが重要です。
検索ボリュームとは、GoogleやYahoo等の検索エンジンで、検索されている回数のことを表しています。検索ボリュームが大きいという事は、よく検索されている人気のキーワードであることがわかります。
SEOで最も重要となるキーワード選定の手順
SEO対策において一番肝となるのはキーワードの選定です。キーワードの選び方を誤ると、その後の対策がいくらきちんとできていてもコンバージョンに繋がらない可能性があります。
決める手順を理解し、慎重に行いましょう。
メインのキーワードを決める
最初に、サイト全体のテーマに合わせて、最も中心で狙っていくメインキーワードを選定します。
メインキーワードは、サイトで扱うサービスや商品などに関係のあるキーワードを中心に設定すると良いでしょう。
この後の手順でキーワードの拡張を行うため、次のポイントに注意して選定しましょう。
検索ボリュームが大きいビッグキーワード
検索する人が少ないキーワードを選んでしまうと、せっかくSEO対策を行っても効果が限られてしまします。このため、ビッグキーワードは検索ボリュームのできるだけ大きなキーワードを選定しましょう。
上位に大手企業や競合となる有名なサイトが少ない
検索ボリュームの大きなキーワードは、ライバルが強力で上位を独占しているようなケースが多々あります。このような場合は、ライバルより絶対に上位に立てるという確証が無ければ避けた方が良いでしょう。
キーワードの拡張
メインキーワードが決定したら、メインキーワードに関連のある関連キーワードを探します。関連キーワードは、「メインキーワードに興味があるユーザーが、一緒に検索しそうな語句」を連想してみるとわかりやすいでしょう。
- どのような場面でメインキーワードを検索するか
- メインキーワードに対して、どのような事を知りたいか
また、実際にGoogleでメインキーワードを検索することでも、関連キーワードを探すことが出来ます
Google検索の検索窓に「SEO」と入力してみると、指定したキーワードと一緒に検索される可能性の高いキーワードを予測して提案してくれます。これを、「サジェスト」機能と呼びます。
さらに、関連キーワードや共起語を探してみるのも良いでしょう。共起語は、特定のキーワードとよく一緒に使われる言葉の事です。
例えば、「SEO対策」というキーワードに対し、「アクセス」「無料」「中古ドメイン」などが考えられるでしょう。
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キーワードの優先順位付けをする
キーワードの選定が完了したら、キーワードの優先順位付けを行います。選定した全てのキーワードに対してSEO対策を行うことが出来るのが理想ですが、実際には手が回らないケースがほとんどです。
そこで、キーワードに優先順位付けを行い、対策すべきキーワードを選定します。ここでのポイントは主に3つです。
検索ボリューム

検索ボリュームが小さく、対策してもほとんど効果が見込めないキーワードは優先順位を低く設定します。
また、反対に検索ボリュームが大きすぎるキーワードは、競合サイトが多くなり、最初から検索上位を目指すことは困難なことが予想されます。
そのため、数が多い場合やすぐにライバルサイトに勝てる見込みが低い場合は、優先順位を低く設定することも検討しましょう。
キーワードがサイトの目的と合致しているか
メインキーワードと関連キーワードの組み合わせが、サイトを訪問してほしいユーザーの目的と合っているかを確認しましょう。
例えば、ダイエットサプリを販売することが目的のサイトの場合、「ダイエット 食事療法」や「ダイエット スポーツ」のように、異なるダイエットの手段に関するキーワードのページがあったとしても、ダイエットサプリの販売にはつながり難いでしょう。
このように、一見類似したキーワードに見えても、検索する人の目的がサイトの目的(ここでは、ダイエットサプリを販売すること)につながり難いと考えられる場合は、優先順位を落として、余裕が出来たら対応することも有効な手段です。
キーワードの難易度
SEO対策を行っているライバルが多く、検索上位に表示される難易度が高いキーワードは、効果が出るまでに時間がかかりやすいため、優先順位を低く設定することも検討しましょう。
検索難易度は、無料で簡単にチェックを行ってくれるツールがあるため、参考に活用してみても良いでしょう。
- SEO難易度チェックツール (https://rishirikonbu.jp/difficulty_checker/)
SEOキーワードの選び方
SEO対策を考える時に、SEOを意識したキーワードの選定は非常に重要なポイントです。
キーワードの選定が不十分だと、検索上位に表示されなかったり、サイトへの訪問が増えたけれど、目的となるサービスの契約や商品の購入などに結び付かなかったりする結果につながり兼ねません。
ここでは、SEOキーワードの選定時に心がけておきたい選定ポイントを解説します。
キーワード選びの基本は1ページに1キーワード
1ページの記事に対して、選定するキーワードは1キーワードに絞って考えましょう。複数のキーワードを含めて検索上位を狙おうとすると、関連したキーワードを選定したとしても、対策の効果は出にくくなってしまうからです。
例えば、1ページに以下のような2つのキーワードを設定して記事を作成したとします。
- SEO キーワード 個数
- SEO キーワード ランキング
ここで、「SEO キーワード 個数」について作成された文章は、「SEO キーワード ランキング」について見ると、良い内容では無いかもしれません。
このように、文章を組み合わせると、それぞれのキーワードに対する内容が薄まってしまったと判断され、検索結果も下位になてしまう可能性があるのです。
このため、キーワードは基本的に1ページに対して1つとし、記事毎に1キーワードに対して集中して制作することが、より効率的・効果的なSEO対策を行うために重要とされています。
SEOキーワードの分類
SEOキーワードは、検索ボリュームや競合の強さに応じて大きく3つに分類されます。それぞれ、明確な定義はありませんが、概ね以下のような基準と考えられています。
分類 | 検索ボリューム(月間) | 競合の強さ |
ビッグキーワード | 5万件以上 | 強 |
ミドルキーワード | 1万~5万件程度 | 中 |
スモールキーワード | 1万件未満 | 弱~中 |
キーワードの選定では、それぞれの分類の特徴をしっかりと理解して、効果的なキーワードを選ぶことが重要です。
分類毎の特徴を理解することで、選定するキーワードによって記事の目的も変わってきます。
ビッグキーワード
ビッグキーワードは主に1語で、1ヶ月あたり5万件以上検索されるような人気のキーワードです。例えば、「ダイエット」のようなキーワードが挙げられます。
しかし、人気のキーワードでたくさん検索されているため、多くの競合サイトが検索上位を狙っており、上位表示が最も困難なキーワードです。
サイト立ち上げ時は、最初からビッグキーワードで上位を狙おうとせず、他のキーワードで上位を獲得しながら徐々にビッグキーワードの検索上位を目指すと良いでしょう。
ミドルキーワード
ミドルキーワードは、ビッグキーワード程ではないものの、一定数の検索ボリュームがあるキーワードです。例えば、「ダイエット」というビッグキーワードに対して、「ダイエット 食事」、「ダイエット ダンス」等の例が挙げられます。
ビッグキーワードに比べると競合サイトも少ない傾向があり、検索上位が狙えるケースも多いため、人気のキーワードとなっています。
ビッグキーワードとの関連もあるミドルキーワードを効果的に選定し、検索上位を獲得していくことが、結果としてビッグキーワードでの検索上位を狙うことにも繋がる重要な要素です。
スモールキーワード(ロングテールキーワード)
スモールキーワードは、検索ボリュームが小さく、競合サイトも少ないキーワードです。例えば、「ダイエット 食事 制限」や「ダイエット 食事 メニュー」のような例が挙げられます。
検索ボリュームが小さいため、アクセス数自体は少なくなる可能性が高くなります。しかし、ライバルとなる競合サイトが少ない傾向があるため、上位が狙いやすいことが特徴です。
ビッグキーワードやミドルキーワードに比べ、複数のキーワードの組み合わせで構成されており、ユーザーの検索意図が明確なキーワードとなります。このように、ユーザーの目的が明確なキーワードはロングテールキーワードとも呼ばれます。
ユーザーが検索する目的に沿ったコンテンツを用意しやすいため、サービスの契約や商品の購入などに繋がりやすい傾向があります。
キーワードの検索クエリタイプを理解する
ユーザーが検索を行うとき、キーワードによって検索を行う目的(意図)によって選ぶキーワードに変化が出てきます。Googleの検索エンジンは、検索結果の表示には、ユーザーが検索を行う意図にあったページを表示する仕組みとなっています。
キーワードを選定する上で、キーワード毎にユーザーの検索意図を理解出来ると、コンテンツの内容やキーワードの入れ方が変わってきます。検索クエリのタイプにマッチしたページにすることが、検索上位に表示されるためには重要になります。
検索クエリタイプは、ユーザーの意図によって大きく以下の4つに分類されます。
- Doクエリ
- Knowクエリ
- Goクエリ
- Buyクエリ
ここでは、1つずつ特徴を解説しましょう。
Doクエリ
Doクエリに分類されるキーワードは、「何かをやりたい」、「やり方を知りたい」など、ユーザーが何らかの行動を起こそうとしているときに検索するキーワードです。
<例> 「骨盤矯正 体操」「美肌 マッサージ」など |
ユーザーがやりたい行動に直接紐づいたキーワードが挙げられます。資料請求や会員登録など、ユーザーに行動を促しやすいキーワードと言えるでしょう。
Knowクエリ
Knowクエリは、ユーザーが検索キーワードについて知りたいと考えている時に使用する検索キーワードです。
<例> 「肥満 原因」「便秘 体質」など |
ユーザーが悩んでいる事や困っていることに対する情報を求めていることがうかがえます。ユーザーはまだ情報を調べている段階のため、契約や購入などの行動を促すのには不向きなキーワードと言えるでしょう。
Knowクエリのキーワードでは、ユーザーが何を知りたいのかを調査し、正確な情報を提供することでサイトへユーザーを誘導することを目的にすると良いでしょう。
Goクエリ
Goクエリは「〇〇へ行きたい」など、どこかに行きたいと考えている時に使用する検索キーワードです。
<例> 「美術館 東京」「うどん 香川」「カフェ 渋谷」など |
ユーザーが目的としている場所への道順や移動手段など、求めている情報が最もはっきりしていることが特徴です。
「美術館 東京」という検索キーワードであれば、東京にある美術館の一覧や口コミなどをまとめたページが上位表示される傾向があります。
Buyクエリ
Buyクエリは、商品やサービスを買いたい、購入したいと考えている時に使用する検索キーワードです。
<例> 「健康 サプリメント」「母の日 ギフト」、特定の商品名 など |
「買いたい」という検索意図は、「何かをやりたい」という意図の1種だと考えることも出来るため、Doクエリの中の一部とも考えられます。
しかし、サイトの目的でもある商品の購入や契約に特化しているため、特に注目しておきたいことから、Doクエリとは別の検索クエリとして分類されています。
商品などの購入を促す、サイトのコンバージョンにつながるページをBuyクエリのキーワードのページにすると良いでしょう。
SEOキーワード選定に役立つツール
ここまで、SEOを意識したWebサイトコンテンツのキーワード選定の手順と選び方のポイントについて解説し、キーワード選定が重要な役割を果たしていることを紹介しました。
しかし、サイトの構築が進んでくると、当初選定したキーワードも少なくなり、日々新たなキーワード選定に苦労するケースも少なくありません。
そんな時に役に立つのが、キーワード選定に使う「検索ボリューム」や「関連キーワード」、「SEO観点でキーワードを上位表示する難易度」などを調べてくれるツールです。
ここからは、SEOキーワードの選定に役立つ専用ツールを6つ紹介します。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、誰でも無料で利用できる、キーワードリサーチ用のツールです。
GoogleやYahoo等の検索エンジンだけでなく、YouTubeやいくつかのショッピングサイトの情報から、メインキーワードに対する関連キーワードを調べてくれます。
その他にも、共起語や類語、同義語などを調べることができ、調べた結果をCSV形式で保管して、詳しい調査に使用することも出来るようになっています。
キーワードプランナー
Googleのキーワードプランナーは、Google広告を利用するユーザー向けに提供しているキーワードリサーチツールです。Google広告のアカウントさえあれば、誰でも無料で使用することが出来ます。
このツールでは、メインキーワードに対する関連キーワードだけでなく、「月間平均検索ボリューム」や「競合性」など、キーワードの優先順位付けにも使える数値をまとめて調査か出来るため、多くのユーザーに利用されています。
ただし、検索ボリュームについては、Google広告で広告を出稿していないユーザーには”1万~10万”、”10万~100万”のような大まかな数字しかわからないようになっているため、あくまでも目安として利用するようにしましょう。
Googleサジェスト
Googleサジェストは、検索サイトのGoogleの検索窓にキーワードを入力した時に、次に入力される文字を予測して表示してくれる機能のことです。
次の画面は、Googleサジェストの機能を利用して、「SEO対策」というキーワードについて予測した結果を表示したものです。

このように、「SEO対策」というキーワードを入力した人が過去に検索したさまざまなジャンルのキーワードを予測して表示してくれます。
キーワードを選定する際、同じ言葉でも意味の全く異なる使われ方をしているケースもあるため、メインキーワードを選定したらどのような関連キーワードが予測されるか、調べてみると選定もしやすくなるでしょう。
キーワードアドバイスツール(yahoo!JAPAN広告)
キーワードアドバイスツールは、Yahoo!広告が提供している、キーワードリサーチツールです。使用するためには、Yahoo!広告を利用するための、Yahoo! JAPAN ビジネスIDを所持している必要があります。
このツールは、Yahoo!広告を使って広告を掲載するときに利用するキーワードについて、アドバイスしてくれます。
広告を掲載するためのキーワード選定を行うためのツールですが、メインキーワードを入力して検索すると、関連キーワードや検索ボリュームなど、SEOキーワードを選定するためにも有効な情報を調べることが可能です。
aramakijake
aramakijakeは、キーワードに対する、月間のアクセス数を予測してくれるツールです。検索キーワードを入力し、「チェック」ボタンをクリックすると、GoogleとYahooでそれぞれ1位~50位までの検索結果に対するアクセス数を予測します。
次の図は、ある時に「ダイエット」というキーワードについてaramakijakeで調査した結果です。
この結果から、Googleでは検索結果5位のサイトでも、約4万7千件のアクセスを獲得できるということがわかります。
ウーバーサジェスト
ウーバーサジェストは、キーワードを入力して検索するだけで、SEOに有利なキーワードについて分析してくれるツールです。
入力した検索キーワードの検索ボリュームや競合サイトの状況から見た上位に表示させるための難易度が一目で分かるように数値として出てきます。
さらに、関連キーワードを含めた詳細な検索ボリュームや難易度、過去の検索ボリュームはどうだったかをグラフで表示するなど、キーワード選定に役立つ情報が揃っています。
その他、SEOに役立つツールについてはこちらの記事でも詳しく扱っていますので、ぜひご覧ください。
SEOキーワードを効果的に選定していくためには
この記事では、SEO対策で最も重要なキーワード選定について、選定するための手順を解説し、効果的なキーワードを設定するための選び方について詳しく紹介しました。
検索キーワードの選定には、検索ボリュームの他にもライバルとなるサイトとの競合性からみた難易度や、ユーザーが検索するときの意図に沿った検索クエリを加味してコンテンツを検討する必要になります。
記事の後半では、キーワード選定を補助してくれる便利なツールについてもご紹介しています。
無料でも有効なツールがありますので、効果的に活用することでサイト全体のSEO対策を強化し、サイトへのユーザーのアクセスを獲得し、効率よくコンバージョンに結び付けるための施策を検討してみましょう。