One to Oneマーケティング実現へ!BtoC向けマーケティングオートメーションツール比較

One to Oneマーケティング実現へ!BtoC向けマーケティングオートメーションツール比較

Webマーケティング2021.03.23

目次


BtoC向けマーケティングオートメーション(MA)とは?


「手作業でおこなっていたマーケティング業務を自動化することで、業務効率を改善しながら収益も拡大する」、これがマーケティングオートメーションです。


マーケティングオートメーションにあたり、BtoCがBtoBと比べて絶対的に違うのは顧客数です。BtoCの方がユーザー数は多くなります。業種によっては数万以上の顧客を相手にすることになります。多数の顧客が相手でも、少ない担当者・少ない工数でOne to Oneマーケティングをおこなうことが理想です。これを実現するためにマーケティングオートメーションツールが存在します。


マーケティングに関する様々なツールを併用している場合、マーケティングオートメーションツールの導入で、ツールが一本化できます。この面のコスト削減も図れます。


マーケティングオートメーションツールの機能について


「アクセス解析から、WEBコンテンツや広告を最適化して、コンバージョンを増やす」「メール配信で、既存顧客にリピートしてもらう」、どちらもBtoC向けのマーケティングの重要なポイントです。


このPDCAサイクルを効率的に回していくための機能が、オートメーションツールにはあります。


データ管理機能


施策に関する機能を実行する際には、顧客データベースが基幹となります。マーケティングオートメーションツールには、それを管理するための機能が備わっています。


データに関しては、メールアドレス等の基本情報のみならず、購入履歴まで管理できます。さらに、個人情報が判明しているデータのみならず、まだ匿名のサイト訪問者のデータを管理できるツールも多くあります。


また、関連ツールのデータを自動で取り込んでくれたり、オフラインで取得したデータも登録できたり、ツールによって機能は千差万別です。


分析機能


メール配信など、顧客を優良顧客化させていく施策に関する機能では、顧客をどのように育成していくのかという「シナリオ設定」がベースになります。シナリオ設定においては、分析機能を活用する必要があります。


サイトのアクセス解析や、アプリの解析、広告の効果測定についても、CV・CPAの計測に留まらず、最終的な収益に対してどの広告がどのように貢献しているかまで分析できるツールがより望ましいといえます。


どの程度の分析がしたいかによって必要な機能のレベルは異なりますが、分析結果の分かりやすさに特化したツールから、掘り下げた分析ができるツールまで存在します。


メール配信機能


メール配信は昔からある手法ですが、シナリオ設定がしっかりしていれば自動化しても成果が上げられる、最もMAツールの効果が分かりやすい部分です。メール配信に関する機能が付いていないMAツールは存在しません。つまりメインで活用すべき機能と言えます。<br>


属性を絞り込んでの配信だけでなく、ユーザーの様々なアクションをトリガーにして配信できる機能が付いています。


メールだけでなく、スマートフォンにプッシュ通知を配信する機能もあります。


広告機能


BtoCにおいては、まだ匿名の顧客に対して、個人情報を得る(登録してもらう)ために広告施策を実施していることが多いと思います。導入するツールによっては、その広告をパーソナライズすることができます。


匿名ながらに有望度などでセグメントでき、リスティング広告・Facebook広告など多数の広告プラットフォームでそのセグメントを用いた広告配信が可能になります。


コンテンツ制作機能


「アプリを用意」「ランディングページを作成」「ページ中に顧客属性に応じた動的コンテンツを作成」、このようなコンテンツ制作に関する機能を有したツールもあります。


BtoC向けマーケティングオートメーションツール選定のポイント


ツール選定にあたって考慮すべきポイントが2つあります。


まずは顧客数です。比較的少ない顧客数に対して設定が簡易にできるツールと、膨大な顧客数に対しても細かい設定までできるツール、方向性の異なる2つのタイプが存在します。また、データベース管理する顧客数によって価格が変動するものが多いです。現状の顧客数を正確に割り出してから、ツールの検討・選定を進める必要があります。


もう1つは実施しているマーケティング施策の種類や規模です。それを効率化できる機能がツールに付いているかが選定ポイントです。マーケティングの様々な工程における自動化・効率化の機能が存在するので、自社は何を求めているかを具体的に伝えた上で、サービス提供元から話を聞きましょう。


マーケティングオートメーションツール比較


導入に向いている業種


分析機能の特徴


メール配信機能の特徴


その他特徴機能


金額


Marketing Bank掲載


MakeRepeater


ネットショップ


施策効果を予測する売上シミュレーション機能


高機能HTMLメールエディター


「MakeShop」注文データの自動取り込み


初期費用:10,000円


月額費用:10,000円~


betrend


実店舗を持つ業種


来店等の行動履歴も可視化


クーポン機能と<br>組み合わせたメール配信


ポイント発行・管理機能


初期費用:30,000円〜


月額費用:10,000円~


B→Dash


全業種外部ツールデータの<br>API連携


シナリオ設計による<br>パーソナライズメール


人工知能を活用した最適化


要相談



Marketo


全業種


シームレスなSFA連携


メールでのA/Bテストが可能


"適性""行動""購買意思"3つの観点からのスコアリング


月額費用:128,700円~



セールスフォース Marketing Cloud


全業種


顧客とのコミュニケーション履歴を一目で確認できる


高度なクロスチャンネルマーケティングにも対応した配信機能


ソーシャルメディアマーケティング関連機能


個別見積


×


MAJIN


全業種


外部データの利用も可能


カート落ちフォローメール、ポイント期限お知らせメールなどにも対応


LINE@連携


初期費用:100,000円〜


月額費用:100,000円~


×


Aimstar


全業種


分析テンプレートを標準搭載


メール配信のプリセットされたシナリオが業種別にある


機械学習機能


要見積


×


MakeRepeater by GMO


ネットショップ構築ASP「MakeShop」でおなじみのGMOメイクショップが提供しているツールです。「MakeShop」を利用している企業はデータが自動で取り込まれるため、データメンテナンスの必要が無くなるので、圧倒的な導入メリットがあります。それ以外のECサイト運営企業にとっても、ネットショップ構築サービスを提供している企業のツールということで、利用にあたり安心感が持てると思います。<br>


価格は、初期費用が10,000円で、月額費用はツールに取り込んだ注文者情報数に応じた変動制で10,000円からです。


顧客・売上を自動分析してショップに対する顧客ロイヤリティを可視化。そこから、売上シミュレーションとともにメールマーケティング施策が提示されます。メール配信機能は、様々な条件を元に高度なシナリオを複数作成することができたり、HTMLメールが簡単に作成可能なエディター機能があるなど、充実しています。


betrend


店舗販促において強みを発揮するCMRプラットフォームで、実店舗を持つ業種・企業にとって有益なツールとなります。


顧客管理をベースとして、ポイント・クーポン施策に関する機能やメール配信機能があります。シナリオ設定による自動化も可能です。


ハガキDMの発送にも顧客データベースを活用できます。スマートフォンアプリを提供する機能があり、アプリを用いたプッシュ通知やポイント施策も可能です。付随してスマートフォンサイトを構築する機能もあり、テンプレートが用意されているので簡単にページが作成できます。


メールマーケティングだけをおこなうプランであれば、初期費用30,000円・月額利用料金10,000円〜。もう1つ、スマートフォンアプリ機能までフルセットになったプランもあります。


B→Dash


アクセス解析、広告効果測定、LPO、A/Bテスト、WEB接客、メールとあらゆるマーケティングツール機能が備わっています。現状で複数のツールを導入して大掛かりにマーケティングを実施している企業にとっては、こちらへの切り替えで、費用とともに運用・管理工数も削減できる利点があります。


広告ネットワークと連動し、取得したデータから特定のユーザーにターゲティングした広告配信が可能。広告効果測定は、コンバージョンに関するチャネル分析のみならず、収益貢献まで可視化されたLTV分析も可能。このような機能により、BtoCマーケティングの肝である広告戦略の投資最適化が図れます。


料金は案件ごとに要相談となっています。


Marketo(マルケト)


グローバルに展開するMAツールのリーディングプロバイダーで、世界39ヶ国・6000社以上の導入実績があります。日本国内でも有名企業が多数導入しています。


相談会やユーザー会といったユーザー同士で交流を図る場を提供してくれるところが魅力です。これは導入後のモチベーションの維持に自信がない担当者にはありがたいでしょう。マーケターとしてスキルアップを図ることもできます。


自動化に際して、属性やアクションからリスト化する絞り込み軸が約100も用意されています。施策の実施にあたってのコンテンツ作成では、Wordを使う感覚でランディングページやメールをデザイン作成できます。One to Oneコミュニケーションを実現するための機能が十分に備わっています。<br>


料金は月128,700円〜となっています。


セールスフォース Marketing Cloud


製品(エディション)が、「メール・WEBマーケティング」「SNSマーケティング」「デジタル広告」と構成が分かれています。MAツールを導入はしたいけどどれほどのレベル感で活用できるか見えていない企業にとっては、徐々に利用範囲を増やしていくこともできるので、無駄がありません。


価格は、全てのエディションの全てのプランにおいて個別見積もりとなっています。メール、WEBサイト、アプリ、SNSと全てのデジタルチャネルにおいて顧客と1対1のコミュニケーションを図るための機能が備わっています。


メール配信機能は特に充実しており、メールテンプレートにドラッグ&ドロップでコンテンツが挿し込むことができたり、顧客属性ごとに異なるコンテンツを自動的に挿し込むオートメーション機能もあります。


様々な接点で顧客データの収集ができることにより、キャンペーンの選択はワンクリックで済むほどに自動化され、よりパーソナライズしたコンテンツで顧客にアプローチをすることができます。


MAJIN(マジン)


サービス提供元のジーニーはDSP広告サービスも提供しているので、広告集客施策に関する機能も搭載された一気通貫型のツールになっています。


顧客の行動に合わせて、メールのみならずアプリプッシュ通知やLINE@の配信も、と効果的な自動化アプローチが実現可能となっています。


料金は、初期費用が100,000円、月額費用が100,000円〜です。


月額100,000円でカスタマー上限数が60,000となっているので、大規模に展開したい企業向けと言えます。


Aimstar(エイムスター)


分析機能に特徴があります。分析テンプレートが標準搭載されているので分析が容易で、ターゲティングも簡単に実施できます。これは、統計解析の知識が少ない担当者にはありがたいでしょう。


さらに、分析画面とMAを実行する画面がシームレスに連携しており、MAのシナリオもフローチャート形式で設定していく仕様で視覚的に分かりやすいです。


ライセンスが機能限定版から全機能版まで分かれており、設定環境もオンプレミス型かクラウド型、支払い方法も一括か月額など様々サービス選択があり、料金は要見積もりとなっています。


外部システムとの連携機能も充実しているので、マーケティングの基幹システムになり得ます。


BtoC向けマーケティングオートメーション成功の鍵


マーケティングオートメーションに際して、BtoCでは対象ユーザーは多いですが、ツールでシナリオなどを細部まで設定して、メール・WEBページ・広告の各コンテンツをきちんと準備すれば、業務を効率化した上で、収益拡大の効果も出せます。


成果を上げるための機能はツール側にしっかり備わっているので、成果の極大化は担当者の運用の手腕にかかっています。自動化ツールですので、管理画面に張り付いている必要はありません。定期的に分析レポートを確認して、そのタイミングでシナリオのチューニングにしっかり時間をかけましょう。


ツールには分析・メール・広告と、種々のチャンネル・フェーズに関する機能がありますので、担当者はWEBマーケティング全般に関する知識を身に付ける必要がありますし、ツールを活用してしっかりPDCAサイクルを回していれば自然とスキルは身に付いていくでしょう。


※公開されている公式サイト、資料等の内容をもとに記事を作成しています。機能や価格に関する記述は情報が古くなっている、実情と異なる可能性があります。