
Webマーケティング2021.03.31
目次
PPC広告とは、リンクや広告がクリックされると料金が発生する「クリック課金型広告」のことです。クリック課金の呼び方は媒体によって異なります。
クリックしてはじめて課金されるので、ユーザーが確実にリアクションを取ったことがわかります。しかし、出稿したいと考えていても、実際にどうやったらよいかわからない方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、企業のデジタル広告担当者の方に向けて、PPC広告の概要と主な種類、はじめる手順とリスティング広告との違いなどを紹介します。また、PPC広告を利用したときのメリット・デメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
PPC広告(クリック課金型広告)とは
PPC広告は「Pay Per Click」の頭文字を取って略したものです。リスティング広告やディスプレイ広告のように、広告が1クリックされるたびに料金が発生するクリック課金制広告の総称です。
広告が何回表示されても、クリックされなければ基本的に料金は発生しません。PPC広告の主な媒体として、「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」の3種類があります。
PPC広告①リスティング広告
リスティング広告は、検索エンジンで検索したキーワードに合わせて表示できます。ユーザーのニーズが明確になっている状態で自社の広告を表示できるため、需要と供給をマッチさせやすいのが特徴です。
広告媒体としての特徴は以下のとおりです。
・SEO施策を行わなくても自社サイトを検索上位に表示できる
・検索キーワードに地域を含めれば、ローカル検索で効率よく集客・コンバージョンできる
・購買意欲の高いユーザーに効率よくアピールできるため、コンバージョンにつながりやすい
主な媒体に、Google広告(Google AdWords)とYahoo!広告(Yahoo!プロモーション広告)があります。
PPC広告②ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトに設定されている広告枠に表示できます。精密なターゲティング設定ができるため、見込み客になりそうなユーザーにピンポイントで広告を届けられます。
また、Webサイトを離脱したユーザーを一定期間追尾して広告を表示させることも可能です。
広告媒体としての特徴は、以下のとおりです。
・ターゲットを細かく設定して配信できるため、商材の認知度向上に効果を発揮する
・ニーズが明確な顕在層から、ニーズを自覚していない潜在層まで幅広くアピールできる
・テキスト・画像・動画を組み合わせることで、視認性が高い広告を作成できる
主な媒体は、GDN(Googleディスプレイネットワーク)・YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)です。
PPC広告③SNS広告
SNS広告は、Twitter・Facebookといった各SNS媒体に広告を表示できます。通常投稿に混ぜて広告を流したり、画面右側の広告枠に表示したりなど、さまざまな広告形式があります。
SNS広告は、ディスプレイ広告より精密なターゲティングが可能です。Facebookを例に挙げると、年齢・地域・行動履歴・地域など、あらゆる要素を特定して広告を配信できます。
広告媒体としての特徴は、以下のとおりです。
・より詳細にターゲットを絞り込めるため、ターゲティングの精度が高い
・タイムライン上に広告を表示できるため、ユーザーの目に留まりやすい
・拡散される可能性があるので、認知度向上に適している
厳密に言えば、SNSのクリック課金はCPC(Cost per Click)と呼ばれますが、PPC広告のひとつとして扱われます。
PPC広告をはじめる手順・やり方
PPC広告は、媒体によってはじめる手順が異なりますが、どの媒体も比較的簡単にできます。設定を行う前に広告文や動画などを用意しておくと、スムーズに広告を配信できます。
リスティング広告のはじめる手順
先述のとおり、リスティング広告の代表的な媒体は、Google広告とYahoo!広告です。設定・運用方法はどちらも同じです。
今回は、Google広告のはじめ方を説明します。
1.広告アカウントを開設
Google広告のWEBサイト右上にある「今すぐ開始」をクリックし、必要事項を入力します。
2.配信条件を設定
「新しいキャンペーン」をクリックし、「販売促進」「見込み顧客の獲得」などの項目から目標を選びます。その後、下の「検索」を選択し、設定画面で開始日・終了日・地域・入札単価などを入力します。
3.広告文を入力する
見出し・URL・広告の説明文を入力します。
上記手順が完了して審査が通れば、広告が配信されます。審査時間は早くて5分、時間がかかる場合でも1営業日以内です。
ディスプレイ広告のはじめる手順
ディスプレイ広告も、リスティング広告と同様に、広告アカウントの作成が必要です。GDNとYDNでは画像のサイズやテキストの文字数が異なります。
また、GDNはGoogleが提供するサービス、YDNはYahoo!が提供するサービスに広告を表示できます。「どちらが自社の目的や商材に合っているか?」を考えて選びましょう。
今回は、GDNのはじめ方を説明します。
1.作成した広告アカウントにアクセスする
2.「新しいキャンペーンを作成」クリック
リスティング広告と同じように目標を選び、下の「ディスプレイ」を選択して「標準のディスプレイキャンペーン」か「Gmailキャンペーン」のどちらかを選びます。
3.「フリークエンシーキャップ」「動的広告」「コンテンツの除外」の項目を設定する
「フリークエンシーキャップ」「動的広告」「コンテンツの除外」とは
フリークエンシーキャップは、同じユーザーに広告を表示する回数を制限できます。
動的広告で「パーソナライズド広告向けのデータフィードを使用する」を選択すると、過去の閲覧情報を参考にしてカスタマイズしたコンテンツの提供が可能です。
コンテンツの除外では、自社の広告を配信してほしくないWebサイトやアプリを設定できます。
SNS広告をはじめる手順
この項目では、Facebook広告を例に挙げて説明します。
Facebook広告は、Facebookビジネスマネージャを使って広告設定を行います。事前にFacebookアカウントとFacebookページを作成しておいてください。
1.広告を出稿する目的を選択する
2.ターゲットを設定する
「コア」「カスタム」「類似」の3種類からオーディエンスを選びます。
3.広告の配信先を設定する
自動配置機能を利用すれば、目的・予算に最適な配信先に広告を出稿できます。
4.予算を設定する
1日分の予算である「日予算」と配信期間の予算である「通算予算」を選べます。
5.広告フォーマットを設定する
画像・動画・ストーリーズなどから目的に合わせて選べます。
リスティング広告との違い
PPC広告とリスティング広告の違いは、厳密に言えばありません。「クリック課金制の広告は、すべてPPC広告のひとつである」と考えられるので、リスティング広告もPPC広告のひとつです。
PPC広告のメリット・デメリット
広告運用は、媒体の強みと弱みをしっかり把握して効率よく行うことが重要です。この項目では、PPC広告を利用すれば、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。
PPC広告のメリット
状況に応じて、即座に広告を修正・停止できることがPPC広告のメリットです。
広告効果を分析して広告文やターゲットを変更したり、より成果を出すために広告費を増額したり、市場の様子を見るために広告配信を一時的に停止したりなど、最善の手段をスピーディーに反映できます。
また、運用結果の分析を容易に行えることもメリットです。
PPC広告は、「前回の運用と比べてどこが上手くいったのか?」「今回の目標は達成できたのか?」といった内容を、集計結果ではっきり確認できます。改善すべき点もすぐにわかるのです。
集計した情報をうまく活用するためにも、PPC広告を出稿しただけで終わらせず、その後の効果測定も続けることが大切です。
PPC広告のデメリット
自社にノウハウがない場合、思うように成果を出せないことがデメリットのひとつです。
PPC広告に限らず、デジタル広告は出稿して終わりではなく、常に分析と改善が求められます。しかし、運用ノウハウの蓄積がなければ的確な分析や改善の方法がわからないため、手探りの状態で運用することになります。運用初期は、一定の運用データが貯まるまで忍耐が必要です。
また、人気のキーワードはクリック単価が高くなりやすいこともデメリットです。
広告がよい条件で配信されるためには、オークションに勝つ必要がありますが、人気のあるキーワードは競合他社も狙っています。競合の数が多ければ多いほど、入札するクリック単価も必然的に高くなるので、状況によっては広告出稿をあきらめざるを得ないこともあります。
適切なキーワードを探すには、Googleキーワードプランナーのようなツールが便利です。キーワードプランナーは、どのキーワードが人気がある、よく検索されているといった状況がわかります。
まとめ
PPC広告は、クリックされることで課金が発生するデジタル広告です。目的や商材によって最適な媒体が異なります。「商材の認知度を向上させるべきか?」や「多くのコンバージョン獲得を目指すべきか?」といった、自社の目的を明確にして広告媒体を選びましょう。
PPC広告は少額の広告費でも試すことができるので、自社の運用ノウハウを蓄積するためにも、まずは始めてみることをおすすめします。