業務効率化2021.03.09
目次
労働人口の減少や新型コロナウイルス感性症の拡大に伴い、働き方改革が一段と叫ばれるようになりました。
また労働法改正で、2020年の4月から中小企業も含め時間外労働の上限規制が適用された影響で、より一層業務効率化を行い、生産性を上げる必要がでてきました。
そこで問題になるのが、業務時間を圧迫する「定型業務」です。業務効率化を考えるうえで、「定型業務」と「非定型業務」を分けて考える必要がありますが、ご自身の仕事をきちんと分類できますでしょうか?
ここではそもそも「定型業務」と「非定型業務」がどう違うのかから、おさらいをしたいと思います。
定型業務と非定型業務とは
仕事とはいくつかの業務を組み合わせたものです。
まずはご自身の一日にやることを洗い出してみるとわかりやすいです。
たとえば、出勤したらまずはメールの確認をして、商品の発注や、在庫の確認、納期の確認、問い合わせに対する対応など、一日の中で多くの業務に携わっているはずです。
これらの業務は、毎回決められた手順をたどって、同じ作業を繰り返しているような業務と、個別の判断が必要で、その判断によって対応が大きく変わるものがあります。
これが「定型業務」と「非定型業務」を分ける基準になります。
つまり「定型業務」とは、作業内容に一定のパターンがあり、いつも変わらない答えが決まっている業務です。
たとえば、毎月決まった日に請求書を作成して送付するなどがこの業務に当てはまります。
一方で「非定型業務」とは、決まっている答えがなく、これまでの経験や判断、思考力などから最適な提案をまとめる創造力を要する業務のことで、企画や対外的な折衝、新規事業の開発などがあります。
残業時間の上限規制で企業が見直すべきこと
冒頭でもお伝えした残業時間の上限が設定されたことにより、長時間労働が常態化している企業にとって、時間外労働時間の削減の対応を早急に行う必要があります。
新しい人材の採用がうまくいけばいいのですが、採用にかけられる経費や労働人口の減少などですぐに人材が増やせない場合、今いる人員で労働時間を減らしながら、同様の業務量をこなす必要があります。
この限られた人材と時間の中で企業が見直すべきことは何でしょうか。
業務の質を上げる
無駄な作業や、やり方に問題がある業務がないか、業務の棚卸しをします。
この段階で業務を「定型業務」と「非定型業務」に分けて、業務の効率化を考えます。
仕事量や割り振り方を見直す
簡単なことではないですが、社員一人一人の能力と、仕事量、残業時間を見直して、業務の割り振り方を考え直すことも必要です。
ここで「定型業務」の中で、自社でやる必要のないものがあればアウトソーシングを利用するという手もあります。
今後を生き残るビジネスに必要なもの
ビジネスは他にはないものを生み出し、価値を創造することで発展していきます。
今後求められるビジネスモデルも「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を通じて、いかに社会の求めるものを創り上げるかが必要となります。
その中で「定型業務」と「非定型業務」の重要度を考えると、新しい答えや創造力を要する「非定型業務」に重点を置くべきと言えるのです。
現在、人間が携わる仕事の多くは「定型業務」と「非定型業務」のハイブリッドと言われています。
「定型業務」と「非定型業務」を分け、非定型と思われる業務も可能な限り整理し定型化することで、より会社を発展させることに時間を使えるようにしていく必要があるのです。
参考 「DXの波に乗る!いざ始めるためのゼロからの基礎知識」
コロナ禍で推進される業務自動化
新型コロナウイルス感染症が世界的に流行してすでに1年以上が経過しますが、事態の収束にはまだ時間がかかりそうなのが現実です。
こうした中、日本で急速に広まった「テレワーク」と並んで注目されるのが、「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」などに代表される業務の自動化です。
RPAは決まった手順で、決まった答えのある「定型業務」を人間の代わりに行えるようにする技術です。 コロナ禍でこれまで進んできたデジタル化に拍車がかかり、急速な変化をもたらすようになり、今までITやネット企業での活用がメインだったものが、それ以外の業種でも活用が進んでいます。
参考 「業務効率化の立役者!RPAとは?」
まとめ
ここでは「定型業務」と「非定型業務」の違いから、この2つの業務から今後どのように仕事のあり方が変わっていくのかを見てきました。
急速に変化する社会に合わせて働き方や人間が行う業務を変え、より生産性と創造性を上げていく業務効率化が必須の課題となります。
まずはその第一段階である、「定型業務」と「非定型業務」の振り分けから試されてみてはいかがでしょうか。