Webマーケティング2021.03.31
目次
世界的にユーザーを獲得し、広く使われているTwitter、Facebook、Instagram。これらのSNSを使ったSNSキャンペーン・SNSプロモーションは、今や企業にとってマストな戦略といっても過言ではないでしょう。しかし、それぞれのSNSの具体的な「使い方」について押さえておかなければ、キャンペーンを成功させるのが難しいのも事実です。
前編ではSNSそれぞれの特徴を比較し、「拡散率の違いに合わせてキャンペーンの目的を変えるべき」というセオリーを紹介しました。具体的にいうと、拡散率の高いTwitterは「新規顧客の獲得」に、拡散率の低いFacebookとInstagramは「既存ファンとの関係構築」に向いています。さらに前編ではTwitterを使ったキャンペーンの成功事例と、成功のポイントについてもお話ししました。
今回の後編では、比較的拡散が難しいとされるFacebookとInstagramの使い方を、成功事例の紹介を交えて解説したいと思います。
Facebookキャンペーン事例(1)JAL
まず、一つ目の成功事例としてご紹介するのは、2016年にJALが展開した「モエレ沼芸術花火2016プレミアム席ご招待券プレゼント」キャンペーン。モエレ沼公園といえば、豊かな自然と芸術的な意匠が融合した札幌の有名な観光地です。このキャンペーンの参加条件は、コメント欄への「あなたの好きな北海道」というテーマの文章と「北海道いきたい!」というキーワードの書き込みでした。
リツイート&フォローだけで参加できるTwitterキャンペーンと比べると参加へのハードルは高いですが、北海道旅行というプレゼントの魅力と、Facebook特有のやや生真面目な風土もあいまって、多くのユーザーがこのキャンペーンに参加しました。
このキャンペーンのすごいところは、ユーザーにコメントを書かせることで「北海道へ旅行に行きたい」という意欲を自然にかきたてられること。旅行商品の販促効果も狙えます。
Facebookキャンペーン事例(2)イトーヨーカドー
続いては、リアルなキャンペーンとSNSキャンペーンの「合わせ技」を成功させた事例。このキャンペーンは、イトーヨーカドーを森永製菓が共同で実施したものです。まず、リアルなキャンペーンとしては、「店舗で森永製菓のお菓子を合計200円以上購入したレシートをハガキに貼り付けて応募すると、3,000円分のお菓子セットが当たる」という内容で展開しました。
この店頭キャンペーンと同時にFacebookキャンペーンも実施。そちらは、「イトーヨーカドーのFacebookページの告知投稿に対し、期間中に"いいね!"するだけで、3人にお菓子セットが当たる」という内容です。
このように、店舗キャンペーンと同時に走らせることで、売上増加と情報の拡散を両立したわけです。
Facebookキャンペーン 成功のコツ
Facebookキャンペーンの参加方法はさまざまですが、「投稿にコメントをつける」「いいね!する」のいずれかが採用されるケースが多く見られます。コメントをつける条件の場合は少し手間がかかりますが、「いいね!」だけなら簡単。キャンペーンの内容に合わせて採用されているようです。
また、「ネタ感」次第で拡散具合が決まるTwitterと比べると、Facebookでは比較的落ち着いたわかりやすいキャンペーンが好まれる傾向にあるようです。これは、SNSとしての「気軽さ」が違うためと考えられそうです。
Instagramキャンペーン事例(1)ハーゲンダッツ
Instagramといえばおしゃれな写真の投稿がメインのSNSですが、その点をうまく生かしたのがハーゲンダッツによる「幸せのハーゲンハート探し」キャンペーン。このキャンペーンでは、アイスのふたを開けたとき表面に現れるハート形の模様のことを「ハーゲンハート」と呼んでいます。その写真を「#ハーゲンハート」というハッシュタグつきでInstagramに投稿すると、抽選で20名にギフト券をプレゼントするというものです。
ファッショナブルなイメージが感度の高いInstagramユーザーに受け入れられ、たくさんの参加者を集めることに成功したようです。
Instagramキャンペーン事例(2)IKEA
同じくオシャレな写真好きを動かしたのがIKEAの「ベストバルコニスト」キャンペーン。参加者はIKEA商品を使ったバルコニーの写真をハッシュタグつきで投稿し、優秀作品にギフトカードが贈られるという内容です。このキャンペーンの見事なところは、投稿された応募写真がそのままIKEA商品のプロモーションになるということ。デザイン性の高い家具を売りにするIKEAらしい巧みな戦略といえるでしょう。
Instagramキャンペーン 成功のコツ
Instagramキャンペーンの参加条件のほとんどは、「指定されたハッシュタグをつけて画像を投稿する」というもの。とにかくオシャレな写真がキモとなるSNSなので、いかに写真に興味があるユーザーの心を動かすお題を出せるかが成功のカギを握ります。「ハーゲンハート」にせよ、「IKEA製品を使ったバルコニー」にせよ、勝因は「フォトジェニックな被写体を見つけ出した」ことに尽きるといえます。拡散性は決して高くないですが、参加者の意欲は他のSNS以上に熱いものになるInstagram。上手に活用したいところです。
まとめ
前編から2回にわたり解説してきた、キャンペーン展開時における3大SNSの使い方。いかがでしたか?SNSキャンペーン・SNSプロモーションは、うまくいけば比較的低いコストで多くのファンを獲得したり、ファンとの関係性を強化できるもの。この記事のポイントをご参考に、ヒットを狙ってみてはいかがでしょうか。