Webマーケティング2021.03.31
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Web検索でYahoo!を使うと、検索結果ページに広告が表示されます。この広告を「スポンサードサーチ」といいます。広告の運用に携わっていると頻繁に耳にするのではないでしょうか。多くのユーザーをもつYahoo!で表示されることから高い効果が期待できる広告です。
この記事では、Yahoo!のスポンサードサーチの特徴やメリット、料金形態などについて解説します。Web広告に携わっている企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
※スポンサードサーチは、2020年から「検索広告」に名称が変更となりましたが、リスティング広告の機能をそのまま受け継いでいます。
Yahoo!のスポンサードサーチとは
「スポンサードサーチ」とは、Yahoo!JAPANが提供する検索連動型広告(リスティング広告)です。日本では、2002年に米国企業の技術を取り入れて提供が開始されました。同じ年にGoogleのリスティング広告「Google Adwords(現・Google 広告)」も提供を開始しています。
スポンサードサーチは、Yahoo!プロモーション広告の1つです。Yahoo!の検索エンジンによる検索結果ページに、テキスト広告として掲載されます。
表示される場所は、Yahoo!の検索結果の最上部と最下部です。通常の検索結果と同じデザインで表示されるので、一目見ただけでは広告とわかりにくいです。テキストのすぐ近くに「広告」と表示されています。
広告は「見出し」「説明文」「URL」で構成されています。画像や動画、音声は設定できません。基本的に、ユーザーが検索したキーワードに関連する広告が表示されるので、顕在層にアプローチしたい場合に適しています。
スポンサードサーチの表示
Yahoo!JAPANのポータルサイトで調べたいキーワードをユーザーが入力すると、検索結果ページにスポンサードサーチが表示されます。スマートフォンの場合は、検索結果ページ1ページ目の広告枠上下に、最大3つずつ縦並びで表示されます。
パソコンの場合、表示されるのは、検索結果ページ1位の上部広告枠に最大で4つです。さらに上部広告枠右側に横一列で最大8つ、検索結果ページ10位の下に最大で2つ、広告が表示されます。パソコンで表示されるスポンサードサーチは、1ページに最大16ということになるでしょう。
スポンサードサーチの特徴
スポンサードサーチにおいては、広告文に使用できる記号や、広告表示オプションなどがあります。使用できない記号が含まれていると広告が配信されないため、しっかりと理解をして広告文を作成しましょう。
広告コンテンツに使用できる記号
スポンサードサーチは、広告タイトルや広告文などのコンテンツに使用できる記号について、使用禁止の範囲が厳しくないという特徴があります。広告コンテンツの使用について、Googleとの比較は以下のとおりです。
Google広告の広告タイトルや広告文
・句読点や記号の多用は禁止
・「商標・ブランド名・商品名」などに使われている句読点や記号は使用可能
・一般的に表示が受け入れられている記号は使用可能
・法的に問題のない記号は使用可能
Yahoo!スポンサードサーチの広告タイトルや広告文
・記号は2つまで使用可能
・()が1つの記号として使用可能
・同じ(の連続使用でなければ利用可能
・全角・半角スペースは、すべて1文字としてカウント
キーワード検索ツール「Yahoo!キーワードアドバイスツール」
スポンサードサーチでは、Yahoo!キーワードアドバイスツールを参考にして、広告を出稿する検索キーワード選定ができます。Yahoo!キーワードアドバイスツールとは、検索キーワードの予測数値データをもとにしたキーワード分析ツールです。
Yahoo!キーワードアドバイスツールにより、表示される検索ボリュームの最大数と最低数を把握できます。広告を出稿するキーワードを選ぶには、ツール内で入力する項目があります。
・キーワードまたはフレーズ
・WebサイトURL
・希望入札価格
・マッチタイプ
「キーワードまたはフレーズ」では、テーマを断片的に挙げても、関連キーワードのデータが抽出されるため、それをもとにキーワードを選ぶことも可能です。キーワードが決まらない場合は、広告の属性に合ったWebサイトのURLを入力すると、関連キーワードを抽出できます。
希望入札価格は、広告費にかけられる予算から、クリック1回あたりの上限金額の設定が必要です。また、キーワードを選ぶときは、マッチタイプを決める必要があります。マッチタイプとは、キーワードに対して、「部分一致」か「完全一致」どちらかを選択することです。
広告文の説明以外で追加する広告表示オプション
Yahoo!スポンサードサーチには、広告文に表記できない部分を補う、広告表示オプションがあります。広告表示オプションの種類は以下の4つです。
・クイックリンクオプション
・電話番号オプション
・テキスト補足オプション
・カテゴリ補足オプション
クリックリンクオプションは、広告文内で設定した誘導先のリンクURL以外にも、誘導したい関連ページがある場合に、リンクURLが2つ設置できるオプションです。
電話番号オプションは、広告文下に電話番号の追記ができます。テキスト補足は、広告文にテキスト文を追加できます。カテゴリ補足オプションでは、あらかじめ用意された補足カテゴリの中から選んで、補足内容を自由に追記する仕組みです。
スポンサードサーチの料金形態
スポンサードサーチは、クリックされた数により料金が決まるクリック課金方式です。クリックされなければ料金は発生しませんが、検索ワードのボリューム次第で広告費に大きな差が出る場合もあります。そのため、スポンサードサーチは、流入数や広告費の推移を確認する必要があります。また、
クリック単価によって料金に幅があるため、あらかじめ予算を設定しておかなければなりません。
予算設定方法
広告を出稿する前には、「自社が広告にかける予算」を、目標として設定する必要があります。広告の目標となるコンバージョン数を決定し、獲得単価でかけ合わせると、必要な予算が算出可能です。
広告予算=目標コンバージョン数×獲得単価
広告料金の設定
スポンサードサーチにおいては、決定した予算内で広告料金を設定ができます。また、広告主が自由に設定を変更することも可能です。広告掲載料金はクリック単価により変わります。スポンサードサーチは、オークション形式のため、入札単価が最も高い人が広告主となる仕組みです。
料金は、クリック課金方式であるため、広告をクリックした回数により、クリック単価が加算されていきます。料金の支払いは、クレジットカードまたは銀行振込です。
スポンサードサーチでは、広告掲載の開始により、入金した広告費の残金から、クリックされた単価分の金額が引かれていく動きを確認できます。クリックされなければ、広告費の残金は引かれません。管理画面で広告費用の残金を確認できるため、予算内でおさめられるでしょう。
スポンサードサーチのメリット
スポンサードサーチは、Yahoo!JAPANのユーザーが見る検索結果ページに、広告が表示されます。Yahoo!の検索エンジンを使うユーザーに向けて広告による訴求ができるのは、大きなメリットといえるしょう。ここではスポンサードサーチのさまざまなメリットについて解説します。
検索連動型広告としてのメリット
スポンサードサーチにおいては、広告掲載には初期費用がかかりません、検索連動型の広告であるため、クリック単価とクリック数を見込んだ掲載費用だけではじめられます。ここでは、検索連動型広告としてのメリットについて解説します。
・検索窓に入力したキーワードに興味関心をもつ顕在層に訴求できる
・クリックされた分だけの支払いのため、予算内で広告掲載ができる
・広告の掲載設定が完了すると、確実に掲載先の広告枠に表示される
・広告掲載の開始も停止も自由にできる
・広告が掲載後すぐに効果を知ることができる
・広告掲載費用があれば、キーワード選定と広告文の作成だけで開始できる
・広告掲載ルールにそっていれば、誘導先のWebサイトのアクセスが上がる
・Yahoo!アクセス解析を活用して、広告の効果を測定できる
スポンサードサーチのような検索連動型広告は、迅速で確実な効果を体感できるという特徴があり、自社ビジネスの効果を「すぐに確かめて結果を反映したい」といった分析目的にも効果的です。集客とリサーチ両方の目的で活用できる広告といえるでしょう。
スポンサードサーチのデメリット
スポンサードサーチは、インフィード広告に対応していないというデメリットがあります。画像つきの広告、ニュースサイトなどの記事一覧の中には表示されません。また、ユーザーの個人情報や興味関心は、広告の配信には反映されません。サイトリターゲティングについても、専用のタグを設定しないと行われないのもデメリットといえるでしょう。
まとめ
スポンサードサーチは、Yahoo!を検索エンジンとして利用するユーザーに検索結果ページで訴求するテキスト広告です。広告コンテンツに使用できる記号がGoogle広告に比べると制限が少ない、「Yahoo!キーワードアドバイスツール」で分析をしながら運用ができる、キーワードの選択と広告分の作成のみで始められるなど、さまざまなメリットがあります。
検索エンジンの検索結果に連動した広告文にすることで、アクセス流入が見込めます。検索キーワードを介して、広告主と検索ユーザーをつなぎ合わせる集客方法として期待できます。