Webマーケティング2021.03.31
目次
btobマーケティングは、btocマーケティングと比較して効果を実感するのに時間がかかります。
そのため、マーケティング現場で働く人の中には「どのようにアプローチすることでbtobマーケティングを成功させることできるのか」について、日々模索している人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなときに役立つ3つのbtobマーケティングの成功事例をまとめました。
btobマーケティングの成功につながる3つの手法
法人顧客向けに製品・サービスを展開するbtobマーケティングには、主に次の5つの特徴があります。
・意思決定者と情報収集者が異なる場合が多い
・購買意思決定の基準が組織的かつ合理的な場合が多い
・一度取引が決まると継続的な関係性となる場合が多い
・購買への関与者・サービスの使用者が複数に渡る場合が多い
・検討期間が長期に及ぶ場合が多い
上記のような特徴をもつbtobマーケティングを成功させるために使われる3つの手法を紹介します。
1. コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、情報収集を行う企業やその担当者に対して有益な情報を発信することにより、検索やソーシャルメディアなどを通じて自社サイトに辿り着いてもらう導線を作る手法を指します。
コンテンツマーケティングの具体例として、製品・サービスの周辺情報や業界情報をブログなどのオウンドメディアを通じて発信する手法などが挙げられます。
コンテンツマーケティングを活用することで、下の2つの効果が期待できます。
・検索やソーシャルメディアを利用したコンテンツ経由での自社サイト集客が増加する
・業界情報を発信することでブランディング効果が高まる
2. リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、見込み客を検討顧客や顧客へと育成する一連のマーケティングプロセスの総称を指します。
リードナーチャリングの具体例として、メールマガジンやセミナーなどの手法が挙げられます。
リードナーチャリングを活用することで、下の2つの効果が期待できます。
・見込み客のロイヤルティーを高めることで、より確度の高い顧客へと育成する
・購入を検討している顧客層への継続的な情報発信を通じて、コンバージョンを促進する
3. マーケティング・オートメーション
マーケティング・オートメーションとは、見込み客獲得から検討・購買段階への育成に至るまでの一連の流れを自動化することによってマーケティング活動を効率化する手法の総称を指します。
マーケティング・オートメーションの具体例として、自社サイトに置いたホワイトペーパーなどがダウンロードされる際のユーザを特定することで、ダウンロードユーザに特化した次の施策(メールマガジンの配信等)につなげていくなどの手法が挙げられます。
その結果をスコアリングなどによって次の展開に活かし、一連の施策をオートメーションすることが可能になります。
マーケティング・オートメーションを活用することで、下の2つの効果が期待できます。
・見込み顧客の抽出から検討顧客の自動育成
・サイト訪問者一人ひとりの行動に則したマーケティング活動が可能
btobマーケティングの成功事例3選
1. コンテンツマーケティングを活用したbtobマーケティングによって、新規顧客を1000社増加させた東海バネ工業株式会社の事例
東海バネ工業株式会社は、顧客の要望に応じてフルオーダーメイドの特注バネを作る「完全受注生産方式」に強みをもつ国内メーカーです。
国内に約3000社がひしめくバネ業界において独自の生産方式の強みを活かすために、カタログ的な自社サイトからコンテンツ中心のサイトへのリニューアルを行いました。
卓越した製造技能を持つ職人の力・様々なニーズに対応できる技術力・多品種微量生産を可能にするノウハウと経験などをコンテンツ化して発信することで、新規顧客を5年間で1000社増加させ、売上高を1.3倍に増加させた事例です。
2. リードナーチャリングを活用したbtobマーケティングにより、問い合わせからの商談増加につなげたSansan株式会社の事例
Sansan株式会社は、企業向けクラウド名刺管理サービスの「Sansan」を運営する企業です。
Sansan株式会社では、全社員で自社サービスのSansanを活用し、見込み客からの問い合わせがあった場合は、その担当者の名刺をSansanで調べるという対応ルールを設けています。
それによって、以前に社内の誰かが展示会でアプローチしていた決裁者に近い人物や社内の誰かがアプローチしていた決裁者などの部署移動や転職等の変化を逃さず、以前の関係性を活用してアプローチや商談に持ち込める確率を上げることに成功した事例です。
3. 動画活用によるマーケティング・オートメーションによって、商品特性や利用法を効率的に伝えることに成功したプラス株式会社の事例
プラス株式会社は、オフィス用品のカタログ販売でbtob向けの事業を行う企業です。
プラス株式会社では、複雑な商品特性や正しい利用法を直感的に訴求するための動画を制作し、自社サイトに「JOINTEX-TV」というコーナーを設けて顧客向けに配信したり、営業担当者が取引先でタブレットを使って説明する形式で活用しています。
それによって紙面だけでは価値が伝わりにくい商品の使い方や特長への理解を効率的に深めてもらうとともに、自社内のサポートの負荷を軽くしたり、返品・解約率を低くしたりすることにもつながっています。
社内では今後1〜2年以内に2,000本まで拡充することで、将来は紙のカタログを代替するレベルまでマーケティング・オートメーションを進める計画を立てています。
まとめ
今回は、btobマーケティングに役立つ手法とその成功事例について紹介しました。
実施にはあたっては、btocとは異なるbtobの特徴をとらえ、施策を検討していくことが重要です。btobには個別の事情が影響することが多いので、今回ご紹介したマーケティング成功事例を1つの要素ととらえて、実践に向けて役立ててはいかがでしょうか。