Webマーケティング2021.03.31
目次
競合のマーケティング活動において、「リード獲得」部分を中心にどのような活動を行っているかの調べ方を工夫するだけで、あらゆる場所から情報を得られるということがお分かりいただけたかと思います。
【今回ご紹介する部分】
1.名刺データ化の仕組みができているかどうか
2.見込み顧客の育成を行っているか(マーケティングオートメーションツールを導入しているかどうか)
3.マーケティング組織があるかどうか
では、早速ご紹介しましょう。
1.名刺データ化の仕組みができているかどうか
TVCMの影響か、名刺をデータ化し、社内の共有財産にしていないことに危機感を持ち出した企業様が多くいらっしゃいますが、競合はすでに名刺のデータ化&共有化に取り組めているのでしょうか。公開情報から探ってみましょう。
まずは、名刺データ化サービスで話題のSansanのWebサイトを覗いてみます。
こちらのWebサイトには導入企業の社名付きで事例が掲載されています。社名検索はありませんが、業種・企業規模で検索することができますので、競合が事例に掲載されているか確認してみましょう。なお、こちらにない場合は下記の名刺管理ツールのWebサイトを見てみてください。事例数は少ないので、Sansanの事例を最初に確認することをおすすめします。
■名刺de商売繁盛
■アルテマブルー
2.見込み顧客の育成を行っているか(マーケティングオートメーションツールを導入しているかどうか)
ついに、今話題のテーマに切り込みます。マーケティングオートメーションツールが2014年から話題になり、今ではマーケティング関連のイベントでは「マーケティングオートメーション」に関する話題があちらこちらで聞かれますが、競合はすでにこれらを導入しているのでしょうか。それを調べるために、あるアドオンを使います。
競合のWebサイトをのぞき見できるGhostery
このアドオンを使うと、いま閲覧しているWebサイトにどのような「計測タグ」が設置されているのか瞬時にお知らせしてくれます。
こちらへアクセスすると、今閲覧中のブラウザが表示されます。このまま「ADD TO(ブラウザ名)」をクリックすると、お使いのブラウザにアドオンとして登録されます。
主に、3種類の計測タグを読み取ってくれるので解説します。
【広告ツール】
GoogleDynamicRemarketing
MicroAd
Criteo
Yahoo! Retargetting
【分析ツール】
GoogleAnalytics
YahooAnalytics
WebAntenna
Pt engine
【マーケティングオートメーションツール】
Marketo
Pardot
Eloqua
HubSpot
今回は、この「マーケティングオートメーションツール」名が表示されているか否かを見ます。国内でも多くのマーケティングオートメーションツールが存在しますが、現時点では、表示されるツールはすべて外資のものです。よって、確実に、競合が導入しているか、していないかを判断するものではありませんので、その点はご注意ください。
見方はこのようになります。
競合のWebサイトへ訪問すると、まずは先ほどインストールしたアドオン「Ghostery」のアイコンのところに数字が表示されます。これはGhosteryがカウントした計測タグの数です。このアイコンをクリックすると、上記のように、計測できたサービス名が表示されます。例えば、今回は、赤枠で囲っているところがマーケティングオートメーションツール「Eloqa」ですね。このように、PardotやMarketo、HubSpotが競合のWebサイトで利用されている場合に教えてくれます。なお、副次的に得られる情報で、利用中のSFA(sales force automation )ツールがわかる場合もあります。例えば、PardotはSalesforce(SFA)とセットでしか利用できないため、一般的にPardotの計測タグが設置されている場合は、SFAとしてSalesforceを利用されていると推測ができます。
さて、実際に競合のサイトをご覧になって、MAツールの計測タグは見つかりましたでしょうか。場合によっては、企業のコーポレートサイトではなく、製品毎のWebサイトだけに導入されているケースもあります。
3.マーケティング組織があるかどうか
これを確認する方法は非常に単純です。競合のWebサイトの「組織図」を見るのです。会社概要のページヘ記載されていることが多いでしょう。こちらで全社的なマーケティング組織があるかどうか確認できます。BtoB企業でそういった部署がある場合、かなりマーケティングに力を入れていると予想できます。もし無かった場合は、あくまで私の経験則ですが、各事業部の営業部門がマーケティング機能を担っている可能性が高いです。
もし競合が専門のマーケティング部署を設けている場合、自社でもしっかりした組織を構築しなければ対抗するのが難しいかもしれません。
まとめ
競合のマーケティング活動を調べる方法をご紹介しました。今回の情報はあくまで、公開されている情報のみから取得したものですので、自社の戦略に直接役立てられるものは少ないかもしれません。しかしながら、適切なツールを使ったり、その見方を工夫したりすれば、思わぬ情報が手に入るということもおわかりいただけたかと思います。
この記事が、みなさまの情報収集レベル向上の一助になれば幸いです。