アンケート集計の方法とレポート作成のポイント

アンケート集計の方法とレポート作成のポイント

Webマーケティング2021.03.31

目次


マーケティングリサーチ手法としてアンケート集計をうまく行えば、有用なデータ・洞察を得ることができます。


しかし、効果的なアンケート集計を行うためにどのようなポイントに注意すると良いのか理解できていない人も多いのではないでしょうか。


今回は、そんなときに役立つアンケート集計のポイントを紹介します。


アンケート調査における7つの手順


マーケティングにおけるアンケート調査は、下記の7つの手順に従って行われます。


1.目的・目標・ゴールの設定


2.実施方法の選定


3.調査票・質問の設計


4.アンケート用紙の作成


5.アンケート集計


6.レポートの作成


7.目的・目標・ゴールに対する振り返り 


今回は、主にアンケートの集計、作成でのポイントについて紹介します。


効果的なアンケート集計を行うための3つのポイント


1. 集計しやすいアンケート項目を設計する


アンケート集計を効率的に行い、その結果を見やすいレポートにまとめるためには、アンケートの設問・選択肢の設計を集計しやすい形式にする必要があります。


アンケート集計を行いやすい設計にするため、質問に対する回答を選択肢の中から1つのみ選択する「単一回答」で設計するという方法が挙げられます。


あてはまるものをすべて選択する「複数回答」や自由記述の「自由回答」については、集計の難易度が上がってしまいます。


特に自由回答から、何らかの傾向を見つけ出そうする場合には、すべての回答を人が確認する必要があり、100件程度ならまだしも、500件や1000件という単位になってくると、膨大な集計作業となってしまいます。


アンケートを設計する場合には「単一回答」の項目が中心となるように設計を行いましょう。


2.質問ツリーを作成する


500人や1,000人単位の調査ではなく、何十万人の単位でアンケートを実施したい場合、調査会社のパネルアンケートを利用するのがオススメです。そういった大規模な調査など、調査会社にアンケートをお願いする際に便利なのが、質問ツリーです。


例を挙げると、1問目の回答がNOの場合は3問目へスキップするなどの構成があった場合、それらを全てテキストベースでまとめて依頼するのでは、理解がしにくく、調査会社はパネルに対して適切なアンケートをお願いできない可能性があります。


質問の流れを構造化した質問ツリーを作成することで自社で意図した質問の流れで調査会社に依頼することができます。質問ツリーの例が以下の画像です。


3. 集計方法を使い分ける


アンケートの集計では実数ではなく、回答者のうち何割がその選択肢を選んだのかが重要です。


アンケートの代表的な集計方法として、「単純集計」と「クロス集計」の2種類があり、どのような人がどのような回答をしたのかを集計します。


単純集計


単純集計は、すべてのアンケート結果を回答別に集計したもので、一番シンプルな集計方法です。


あるサービスを「使いやすい」「使いにくい」「どちらでもない」から一つを選んでもらうアンケートを500人に実施した場合、単純集計では以下のような集計結果となります。


単純集計は、集計が簡単ですが、あくまで全体的な傾向をのみしか分かりません。


クロス集計


年齢や性別などの「属性別に傾向」を知るためには、クロス集計を行います。例えば、単純集計と同様のアンケート結果を男女別に集計すると、次のような集計結果となります。


男性にとっては使いやすいと思われているものの、女性にとっては使いやすいとは言えないサービスとなっていることがわかります。


さらに他の属性(年齢、地域、職業など)をさらに細かく分類・集計すれば、より具体的な傾向が分かります。


アンケート集計結果をレポートのまとめる際の3つのポイント


1. 適切なグラフの種類を選択する


アンケート集計におけるグラフとは、データの可視化を行うために作成するものを指します。


アンケート集計結果をわかりやすく表現するために、質問のタイプに合った適切な種類のグラフを選択する必要があります。


誤った種類のグラフを選択してしまうと、集計結果を正確に読み取ることができないため、アンケート調査全体が無駄になってしまうため注意が必要です。


アンケート集計によって同じ結果となった場合でも、グラフの種類を変えることによって、より分かりやすい見せ方になるように工夫することも可能です。


単純集計のグラフを選ぶ場合、「単一回答」のアンケート集計結果は「円グラフ」や「帯グラフ」で表します。また、複数選択型項目のアンケート集計結果は「折れ線グラフ」や「棒グラフ」で表します。


クロス集計のグラフを選ぶ場合、単一選択型項目のアンケート集計結果は「帯グラフ」で表します。複数選択型項目のアンケート集計結果は「折れ線グラフ」「棒グラフ」で表します。


・エクセルを使ってアンケートを集計する場合


アンケート集計にエクセルを使う場合、数値を選択した状態でグラフを挿入すると、同じ数値から様々なグラフをワンタッチで作成できます。適したグラフがどれなのか判断が難しいときは、複数のグラフの表示を試したうえで、適切なものを決めるのもいいでしょう。


▼それぞれのグラフを選択するだけで、選択したデータをもとにグラフを作成できる


2. 集計結果を同じ単位ごとにまとめる


集計結果のデータを「度数のみ」と「パーセンテージのみ」というように、それぞれの単位ごとにグラフや表を作成しておくと、集計データの読み違いや誤解を生む表現を避けることにつながります。


例えば、男性と女性に対して「あるブランドのお菓子を買った経験がある」人のアンケートを集計すると仮定します。


もしアンケートの集計結果を見る際に「度数のみ」に着目してしまっている場合、「男女ともに人気に差がない」と安易に判断してしまう可能性があります。


しかし、男女が同じ度数かつ、男女の「母数」に違いがある場合、 「パーセンテージ」でみると母数の少ない方の人気が高いことが読み取れます。


上記の例のように、アンケート集計結果をグラフや表にまとめる場合、誤って読み取ることを防ぐため、「度数のみ」と「パーセンテージのみ」など単位ごとに揃えてグラフや表を作成することが重要です。


3. 集計する際には「母数としてカウントする回答の定義」を定めておく


アンケート集計する場合、集計時の母数を間違えると誤って集計結果を読み取ることにつながります。


例えば、「あるブランドを制作・販売するA社が、ターゲット層の女性からどれくらいの好意度を得ているのか」を測定することを目的に、そのターゲット層となる女性1000人に対してアンケート調査を行うと仮定します。


その場合、アンケート集計時に、回答してもらったアンケートによって無効回答にカウントされる場合があります。


その際、アンケート集計時の母数は、アンケートを取った人数全体の1,000人ではなく、有効回答者の人数のみを母数としてカウントする必要があります。


無効回答も母数に含めてしまった場合、有効な結果を得られないため、アンケート集計を行う前には、母数としてカウントする回答の定義を定めておくことが重要です。


アンケート集計を簡単にするには、アンケートツールの利用がおすすめ!


アンケートの集計には、様々な方法がありますが、適切なアンケートの作成とスピーディーで効果的なアンケートの集計、レポートの作成を行うためには、アンケートツールの利用をおすすめします。


アンケートツールを利用することで、集計しやすい形でのアンケート設計や、エクセルでの細かい集計をツールで簡単に行えます。


まとめ


今回は、アンケート集計のポイントについて紹介しました。


マーケティングリサーチ手法として、アンケート調査は頻繁に使われます。


今回の内容などを参考に、アンケート集計のポイントを正しく理解しておくことで、有効なデータの収集や考察に役立てていきましょう。