Webマーケティング2021.03.31
目次
自社の業績が悪化もしくは改善した理由をしっかりと把握できていますか?
競争が激化しグローバル化が進む現代においては、企業の戦略的決定を後押しする明確な材料が必要です。そしてその材料になるのがマーケティングリサーチです。企業活動においては、曖昧な部分は少しでも減らしていきたいもの。予測が難しい時代だからこそ、判断基準や因果関係の分析を重ねていくことが大切です。
そこで今回は、企業が価値を増大させていくための戦略を助ける、マーケティングリサーチについてまとめていきます。
勘や経験からの脱却による問題の可視化
冒頭でも述べたようにマーケティングリサーチは、企業の戦略決定の場から「感性」「勘」「慣習」「惰性」などの不確定要素を取り除く役目を果たします。
たまたま大ヒット商品が生まれ企業価値が増大したとしても、それは一時的なものです。定期的にヒット商品・サービスを生み出し安定した成長を遂げていくためには、市場調査・分析などのリサーチに基づく仮説を立て、仮説を利用した企業活動を行い、さらにその結果をリサーチによって検証していくことが必要になるでしょう。
つまりマーケティングリサーチを行うことで、「たまたま」や「偶然」といった要素が取り除かれ、あいまいなものが無くなっていくのです。これはそれまで勘や経験で行ってきた戦略的意思決定から脱却し、問題・課題・原因を可視化することにつながります。
さらにそれらを可視化することでさまざまな具体的対応策がうまれ、対応策をブラッシュアップすることでより確度の高い戦略案を生み出すことが可能です。
マーケティングリサーチによる効果
マーケティングリサーチは、仮説の立案・仮説による企業活動・結果の検証という一連のサイクルを行うことで、リスク軽減や消費者情報の吸収といった効果をもたらします。
企業がリリースする製品・サービスには常にリスクが伴うものです。新しい製品・サービスが消費者に受け入れられるとは限りません。場合によっては投下した資本を回収できないままに、赤字となってしまうことも考えられます。
このようなリスクを減らすため、適正価格の決定や流通経路の選択、認知度向上ための宣伝活動といった課題をクリアしていく必要があります。この課題をクリアするためには、消費者の生の声や属性、行動など具体的な情報が欠かせません。つまり消費者情報の吸収です。
マーケティングリサーチは、消費者情報の吸収を得てリスク対策のための課題をクリアするというプロセスに役立ちます。また、具体的な数値だけではなく、消費者の思いや考え方、普段の生活などを垣間見ることができるのも、マーケティングリサーチの効果と言えるでしょう。これら数値化しにくい情報も、後々の戦略立案において重要な材料となります。
調査テーマ事例
ここでマーケティングリサーチの事例をご紹介します。
例えば、ある地方都市に新たなチェーン店を出店する計画があったとしましょう。出店を計画するにあたっては、まず周辺の環境や出店候補地の立地状況を調査します。候補地となっている場所が「儲けやすい」場所なのか、周辺の環境から推測できる来店者数は理に適っているかを綿密に調査し、最終的な出店判断に必要な情報を集めていきます。
いざ出店が可能となれば、今度は出店後の商圏分析や商圏内でのシェア分析も必要になるでしょう。新たな店へ来店する消費者は具体的にどこに住んでいてどこまでがターゲットになるのか、さらにターゲットに対するコミュニケーションをどうとっていくのかを調査することになります。
集客が成功し、リピート率が向上したあとであっても、店舗で売り出す新商品の開発・価格設定に関する情報が必要です。ここにもマーケティングリサーチを活用した顧客情報の吸い上げが有効になるでしょう。
また、顧客情報を活用したデータ分析を行うことで、新たな出店計画やブランドイメージの向上へとつながる情報も手に入ります。特にブランドイメージの確立は業績を長期的に安定させる武器となり得るので重要です。複数店舗を展開するチェーンともなれば、ブランドイメージはチェーン店全体の業績に影響を与えます。
リサーチは出店前の立地・環境調査から出店後の商圏分析、さらには店舗の業績が軌道に乗ったあとのさらなる商品開発・ブランドイメージ向上まで、ほぼ全てのプロセスに関係する重要な調査方法なのです。
まとめ
マーケティングリサーチは、市場調査と混同されることがありますが、調査対象は市場だけではありません。マーケティングリサーチの調査対象は市場調査よりも広く、マーケティング活動のすべてに関わってくる広い調査のことを指します。あらゆるプロセスに仮説をたて、その結果を検証していくことで数値化しにくい部分までも把握しようという狙いがあります。
競争の激しい業界にあって、より企業価値を増大させたいのであれば、マーケティングリサーチの導入を検討してみてはいかがでしょうか。