マーケティング担当者ならおさえておきたい「ポジショニングマップ」の作り方

マーケティング担当者ならおさえておきたい「ポジショニングマップ」の作り方

Webマーケティング2021.03.31

目次


 顧客ニーズと競争優位性の両方を揃えた独自のポジショニングを見つけ出すことは、マーケティング戦略を立てる際の大きな課題です。


そんなときにポジショニングマップをうまく活用できると、効果的に独自のポジションを見つけ出すことができます。


今回はポジショニングマップとは何か、ポジショニングマップの作り方について紹介します。


マーケティングの基本「ポジショニングマップ」ってなに?


ポジショニングとは、ターゲット顧客に自社製品・サービスを認識してもらうため、競争優位性のある独自のポジションを築くことを指します。


ポジショニングマップとは、自社製品・サービスの競争優位性ある独自のポジショニングを導き出す作業を効果的に行う手法の一つを指します。


次の図は、ファッションブランドのポジショニングマップの例です。


ある特定の製品・サービスの特徴を明確にするために製品・サービスをマッピングする場合と、業界構造に対する自社の戦略や位置づけを明確にするために市場全体をマッピングする場合があります。


それによって、まだ満たされていないニーズのある有望な市場を見つけ出すことにつながります。


効果的なポジショニングマップを作る4つのポイント


1. 独立性の高い2軸を設定する


ポジショニングマップで軸を決める際は、2軸の要素を独立させ、かつ重要度の高いものにすることが重要です。


例えば、2つの軸を機能と価格とした場合、機能と価格は比例するため有効なポジショニングマップになりづらいと言えます。


そのため、2つの軸は独立性の高い要素を選ぶことが重要です。


独立性があっても、重要でない軸でマップを作ると、競合との差別化ができても大きな差別化要因とならないため、注意が必要です。


2. 購買決定要因を重視する


購買決定要因とは、購入対象となる製品・サービスに含まれる価値や価格のうち、顧客が商品の購買を決める際に重視する要素を指します。


顧客が商品・サービスを選択するときの購買決定要因を見極めた上でポジショニングマップを作成することが重要です。


購買決定要因が複数存在する場合、特に重要な2つの要因を軸に定めます。


3. 競合がとりづらく、空いているポジションを狙う


ポジショニングマップを作成するときは、隙間の空いているところに自社の商品・サービスを位置づけます。その際、意識的に競合がとりにくいポジションを選ぶ必要があります。


それによって、競合の商品・サービスと重複しないポジションを獲得し、自社の競争優位性を確立しやすくなります。


4. 将来に渡り、優位性を構築できるポジショニングをとる


ポジショニングを決める際には、出来る限り長い期間に渡って優位性を築けるようなポジショニングをとります。


そのために、時代の移り変わりや世間の関心に左右されず、将来にわたって優位性を保てる2軸を選ぶことが大切です。


また時代が進むにつれて、商品・サービスに求められる要素が大きく変化する可能性があります。


その場合は、これまでと同じポジショニングマップに固執することなく、その時々に応じたポジショニングマップを構築し直す判断を行うことも大切です。


ポジショニングマップの軸を決める際に知っておきたい6つのパターン


ポジショニングマップにおける軸のとり方には、6つのパターンがあります。


「製品特性・仕様」「消費者へのメリット」「価格と品質の関係」「用途の特定」「競合製品」「他社製品と関連性」という軸を組み合わせて検討することで、競合に対して優位性のあるポジショニングを見つけ出しやすくなります。


1. 製品特性や仕様に基づく軸のとり方


製品の特性や仕様に基づいた軸をとり、ポジショニングを決定します。


専門的な要素が強くなりやすいため、素人よりも専門知識を持っているターゲット層に訴求したい場合に向いているポジショニングです。


例えば、処理速度の速さ・容量の大きさ・最高速度・乗車定員・燃費・最小位回転半径などの観点から軸をとります。


2. 消費者へのメリットに基づく軸のとり方


消費者が感じるメリットに基づいた軸をとり、ポジショニングを決定します。


感覚的・感情的な要素が強くなりやすいため、定性的な要素で訴求したい場合に向いているポジショニングです。


例えば、高級感・プライベート感・楽しさ・安心感・手軽さなどの観点から軸をとります。


3. 価格と品質の関係に基づく軸のとり方


価格と品質の組み合わせで軸をとり、ポジショニングを決定します。


高価格・低価格・高品質・低品質の4つの要素から選ぶため、衣服や食材などの日常的に使う商品・サービスを検討する場合に向いているポジショニングです。


例として、「リーズナブルな品質で、お買い得な価格」で訴求する場合などが挙げられます。


4. 用途に基づく軸のとり方


ある特定の用途に絞って軸をとり、ポジショニングを決定します。


自社の商品・サービスを品質面や価格面で差別化することが難しい場合に向いているポジショニングです。


例として、「アウトドアスポーツ専用の自動車」「人事や給与精算に特化したシステム」などが挙げられます。


5. 競合製品に基づく軸のとり方


競合製品の特性・メリット・価格・用途の差異に基づいた軸をとり、ポジショニングを決定します。


2軸のうち片方の軸に対し、明確に差異を認識できる場合に有効なポジショニングです。


例として、「他社より高品質なのに低価格」、「(自動車の場合)7人乗りなのに小回りが効く」などが挙げられます。


6. 他社製品との関連性に基づく軸のとり方


自社製品・サービスと他社製品・サービスとの関連性に基づいた軸をとり、ポジショニングを決定します。


直接競合する商品・サービスとの差別化を図る場合に向いているポジショニングです。


例として、自動車の良さを訴求する際、同じ移動手段として関連性のある飛行機の例えを用いて「ビジネスクラス並みのゆとりと快適性を兼ね備えた乗り心地」という表現で訴求することなどが挙げられます。


まとめ


今回は、独自のポジショニングを見つけ出すのに有効なポジショニングマップについて説明しました。


適切なポジショニングマップを作れることで、ヒット商品につながるポジショニングを発見したり、効果的なマーケティング戦略を立てたりできる確率が上がります。


何度も仕事などで練習し、実践に役立つポジショニングマップを身につけていきましょう。