Webマーケティング2021.03.31
目次
リワード広告とはアフィリエイト広告の一つで、商品購入やアプリインストールなどのコンバージョンが発生した際に、広告主から媒体へ報酬が支払われるだけでなく、ユーザーに対してもアプリ内で利用できるポイントやアイテムなどを付与する広告を指します。
リワード広告はアプリ内で配信されることがほとんどで、年々リワード広告を取り入れる企業は多くなっています。自社でこの広告を取り入れるには、どのような点に注意したらよいのでしょう。
この記事では、リワード広告の導入を検討している方に向け、リワード広告の概要や特徴、メリット・デメリットなどを解説します。アフィリエイト広告やブースト広告との違いなどにもふれているので、ぜひ参考にしてください。
リワード広告とは
リワード広告とはアフィリエイト広告の一種です。あらかじめ設定した成果(商品購入、アプリのダウンロード、動画視聴など)をユーザーがクリアすると、広告主が配信した媒体に成果報酬を支払います。また同時に、それを達成したユーザーに対しても、その媒体で使えるポイントなどが付与される仕組みになっています。
とくにアプリ内で広告が配信されることが多く、その需要は急増しています。しかしアプリをダウンロードすることによってユーザーが金銭的な報酬を得られると誘導をしたり、誇大広告も増えたりしているため、AppleやGoogleはリワード広告を批判し追放したり、規定を設けたりする動きもあります。
たとえば、Google AdMobでは「ご協力ください」などの表現を用いたリワード広告は禁止、Appleストアはリワード広告を全面的に禁止するなど厳しい措置がとられています。しかし、反対にそれほど影響力をもちうる広告でもあり、広告を作成する際には注意は必要ですが、正しく作成すればリワード広告は効果を期待できる広告です。
リワード広告の特徴
リワード広告の特徴としては、パソコンよりもスマートフォンユーザーを主にターゲットとしており、アプリのインストールによって成果報酬が発生する場合が多いことです。スマートフォンアプリを広めたい場合や、スマートフォンユーザー向けのサービスを打ち出したい広告主にとって、リワード広告はとても有効です。
また、他の広告と比べて短期間での成果が出やすく、アプリのダウンロードランキングに登場すれば、さらに拡散されることも期待できます。すばやく認知されることで先にブランディングイメージを確立できるため、リワード広告で認知させた後、本格的にプロモーションをしていくなど、他の広告を組み合わせるのも効果的でしょう。
アプリ側で規制に従う必要はありますが、うまくユーザーに訴求すれば自然と拡散されることになるため、その点はリワード広告のメリットといえます。
動画リワード広告とは
動画リワード広告とは、動画を視聴完了したユーザーに向けて、アプリ内で使えるポイントなどを付与する広告を指します。スキップできないCM広告などとは違い、ユーザーが自らの意志で動画を視聴するかどうかを決められるという特徴があります。
通常のリワード広告のようにアプリストア側も動画リワード広告に批判的ですが、すでにインストール済みのアプリ内で広告配信をしているため、規制がしにくい状態にあります。一方で、動画リワード広告を導入する企業は増加しているため、今後も動画リワード広告を目にする機会は増えていくことが予想されます。
アフィリエイト広告、ブースト広告との違い
ここでは、リワード広告と似ているものとして、アフィリエイト広告、ブースト広告の意味、それらとの違いを解説していきます。
アフィリエイト広告との違い
広告出稿の際にASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)と呼ばれる仲介業者が、通常は存在します。このASPに企業は広告の出稿を依頼し、ポイントサイトやブロガーなどのアフィリエイトサイトに広告が掲載され、ユーザーに届けられます。
そして、ユーザーによる商品購入・資料請求などのコンバージョンが達成された際に、ASPは掲載元のサイト管理者に報酬を支払います。その後、広告出稿を依頼した企業がASPに対し報酬を支払う、というのがアフィリエイト広告の仕組みです。
これに対し、リワード広告の場合は、実際にアクションを起こしたユーザーに対しても、インセンティブが支払われます。アプリのダウンロードや動画視聴などを行ったユーザーに対し、アプリ内で使えるポイントを付与するなど、ユーザーにとってもメリットがあるのが特徴です。
ブースト広告との違い
ブースト広告とは、リワード広告を短期間に出稿すること、いわばブースト的に配信する手法を意味します。ブースト広告はあくまでもその手法・戦略を意味する言葉のため、リワード広告のなかにブースト広告という手法があると考えるとわかりやすいです。
ブースト広告により集中的に広告を配信すると話題になりやすく、SNSで拡散されるなどの効果が期待できます。とくに新商品・サービスを打ち出す際やブランドイメージが浸透していない企業には有効的な手法ですが、アプリの評価が偏る原因にもなりうるため、出稿する際は注意が必要です。
リワード広告のメリット
ここではリワード広告にはどのようなメリットがあるのか解説します。導入する企業も増えてきていますが、その理由はなぜかを理解するためにも、ぜひおさえておきましょう。
動画の視聴完了率が8割と広告を見てくれやすい
主に動画リワード広告はユーザーがほしいアイテムなどを報酬として還元するため、その報酬のために、動画を視聴完了する率が8割を超えます。自発的に動画を見て報酬を獲得する形式が多いため、離脱することが少なく、広告を最後まで見てくれるユーザー数が多いです。そのため、広告の内容を十分に認知させることが期待できるでしょう。
これまで、画像やテキスト広告を中心に施策を打ってきたものの、思ったような効果が出せなかった場合は、動画でアプローチできるリワード広告に切り替えるのも1つの方法でしょう。
アプリアイテムを使うため、疑似体験をさせることができる
アプリで使える報酬が多いことから、その報酬をアプリで使ってみるという体験に誘導できることがメリットです。アプリで課金することに抵抗があっても、ポイントでもらえた報酬を使うのであれば抵抗が少ないため、アプリを自然に使ってもらえる機会につなげることができます。
ほかの動画広告で使用感をアピールしても、実際にユーザー自身が使った感覚までは伝えづらいです。リワード広告は実際にユーザーが使って体験できるところがメリットです。
認知に即効性がある
ブースト広告のようにリワード広告を集中して出稿する方法や、アプリのインストールを促す広告が多いため、認知拡大に期待がもてます。
キャンペーン商品や期間限定のサービスや流行性のある商品・サービスを提供する企業にとっては、短期間でユーザー数を確保することが見込めるリワード広告は魅力的といえるでしょう。自社のリソースが逼迫していたり、継続的な予算確保が難しいといった場合にも有効です。
リワード広告のデメリット
リワード広告は他の広告にはない強みがありますが、デメリットもあります。十分な効果を得るためにはきちんと理解しておくことが大切です。実際に運用する際の参考にしてください。
アクティブユーザーの獲得はしにくい
リワード広告によって報酬がもらえるときにだけ稼働するユーザーが多い傾向があります。そのため、そのアプリを日常的に使うアクティブユーザーは獲得しにくいというデメリットがあるでしょう。しかし、アプリのインストールランキングなどから流入したユーザーは、関心をもって利用してくれることが多いです。
同じ広告を見たユーザーから評価されにくい
ブースト広告のように短期間で集中して広告を配信すると、同じユーザーに対し、何度も同じ広告を見せてしまう場合があります。そのため、ユーザーにマイナスイメージをもたれたり、ブロックされたりするケースもあるでしょう。短期間で認知を挙げられることはメリットですが、場合によってはアプリの評価が下がる原因にもなるので注意しましょう。
リワード広告市場の今後
昨今の動画広告やアプリ開発の後押しを受け、リワード広告の市場が拡大しています。特に拡大しているのは「動画リワード」の市場で、新規で参入する企業も増えており、今後もますます発展していくことが予想されます。
動画リワード広告の市場は2018年の時点で170億円で、前年比約2.4倍の成長ぶりを見せているといった調査結果があります。2022年には378億円の規模に到達されると予想されているなど、成長が期待されている広告となります。
現在のアプリの多くはゲームアプリですが、最近はマンガアプリやレシピアプリ、フリマアプリなども増えています。アプリのジャンルが増えるということは、それだけユーザーのジャンルも増えるということです。
自社の商品やサービスがゲーム以外の場合でも、広告を出稿するメリットが期待できるといえるでしょう。
まとめ
この記事では、リワード広告とは何か、どのようなメリットやデメリットがあるのかを解説しました。アフィリエイト広告の中でも威力のある広告といえますが、やり方によってはアプリのプラットフォームから批判されやすいという特徴があります。
過度に配信を行ったり、その誇大広告になってしまったりすると、規制がかかり今後配信できなくなってしまう可能性があるため、慎重に運用しましょう。一方で、商品・サービスの認知拡大や、アプリのインストールをしてもらうきっかけを作りやすい広告でもあります。
動画リワード広告はとくに視聴完了率も高いため、広告の内容がユーザーに訴求できれば強い効果を発揮します。ぜひ、今回の内容を参考にリワード広告との向き合い方や、どう利用していくかを検討してみてください。