Webマーケティング2021.03.31
目次
FacebookやTwitterといったSNSは、コストを抑えつつブランディングや潜在顧客獲得に役立つマーケティングツールとして、熱い注目を集めています。しかし、運用担当者の中には、「従来のWeb広告で得た成功事例に基づいてSNSのコンテンツを作っているのに、今一つ成果が出ていない」と悩んでいる人も少なくないようです。
そこで今回の記事では、SNS運用を成功させるためにどのような投稿を行えばよいのか、具体的なポイントと企業によるSNS投稿の成功事例をお伝えしたいと思います。
SNSフィールドへ自然になじむことが大事
まず押さえておきたいのは、SNSマーケティングは従来のWeb広告、運用型広告とは全く違うものである、ということ。Web広告は比較的短期間で効果が出やすく、また、コストをかけた分だけ一定の効果が見込めるという特徴があります。しかし、SNS運用を成功させるためには、考え方を変えなければなりません。
その理由は、SNSがそもそも一般ユーザーのためのメディアだから。ユーザー自身が情報を発信することで成り立っているSNSというフィールドにおいて、企業のコンテンツはマイノリティなのです。
ユーザー同士の情報発信・交流の場であるSNSの中へ、企業がテレビCMのように一方的な広告を入れたらどう思われるでしょうか。「この場にふさわしくないメッセージだ」とユーザーが感じ、拒否反応を示したとしても不思議ではありません。企業は「ユーザーたちの私的な場へ混じらせてもらう」という謙虚な気持ちで、各SNSのテイストにふさわしい情報を発信しつつ、自社のPRを行っていく必要があるのです。
ユーザーの知りたいことと、企業の伝えたいことを重ねていく
前述した通り、SNSでは企業の一方的なメッセージは受け入れられにくい傾向があります。しかし、だからといって何も考えずウケ狙いのコンテンツを作っても、自社のPRに全くつながらなければ何の意味もありません。では、どうすればいいのでしょうか。
ここでまず認識しておきたいのは、「ユーザーが知りたいと思っている情報」と「企業が伝えたいメッセージ」は違う、ということです。その両者のズレが、SNSにおけるユーザーの拒否反応を生み出す原因となっています。しかし、逆にいえば、「ユーザーが何を知りたがっているか」を意識しながら企業がメッセージを発信していけば、ユーザーに受け入れられつつ、自社の魅力を伝えることも不可能ではありません。
では、ユーザーに寄り添いつつ広告を成功させるには、具体的にどのようなコンテンツを作ればよいのでしょうか。ここからは実際に公開された企業SNSの投稿内容を参照しながら、その方法を考えてみましょう。
成功するSNSコンテンツ事例(1) 株式会社バスクリン(Facebook)
入浴剤メーカーとして著名なバスクリン。同社のFacebookページ「バスクリン バスタイムLABO」は、企業の強みを「ユーザーの知りたい情報」に結びつけた好例の一つといえるでしょう。
このFacebookページが対象としているのは、「健康と美を探求する」ユーザー。効果的な入浴方法などの豆知識、美容に関する情報などを紹介しています。こうしたユーザーに役立つ情報を提供しつつ、さりげなく自社製品の宣伝をするという方法をとっており、SNSユーザーの心理を非常にうまくとらえた投稿内容となっています。
BtoC企業やメーカーに限らず、どの企業にも必ず専門分野に特化した強み、一般ユーザーが持たない知識を有しているはずです。それをユーザーが知りたがっている情報と重ね合わせ、うまく提供することができれば、企業のブランドイメージを高め、着実にファンを増やすことができる。そのお手本のような事例といえるでしょう。
成功するSNSコンテンツ事例(2) 森永製菓(Instagram)
続いて紹介するのは、国内屈指のお菓子メーカー森永製菓。写真映えするお菓子などの食べ物はSNSとの相性がよく、とりわけInstagramとの親和性はバッチリです。
森永製菓は同社のロングセラー商品「ミルクキャラメル」とマクドナルドのコラボレーションによって、「マックシェイク森永 ミルクキャラメル味」を発売しました。その際にInstagramにアップされた投稿内容が高い評価を得ています。投稿されたのは、新商品を撮影した写真。というと当たり前のように見えますが、普通の広告写真と違うのは、あえて「一般ユーザーが個人的に投稿した写真のようなテイスト」を採用した点。「その場で商品を持って撮影した」という臨場感のある演出により、作り込まれた写真からは生まれないユーザーからの支持を獲得しました。
成功するSNSコンテンツ事例(3) 株式会社コバックス(Instagram)
株式会社コバックスは布団専門メーカー。同社のInstagramも、他社とは一味違う工夫でユーザーの目を惹きつけました。同社がInstagramにアップしたのは、なんと布団工場の内部の様子。生産に関わる社員たちの作業中の様子、さらには私生活の模様までもリアルに映し出しています。
ユーザーにとって、通常、布団の製造工程やそこに関わる人たちは「遠い存在」ですが、この投稿内容によりユーザーは彼らに強い親近感を抱けるようになります。これが同社のファン、そして同社の製品のファンの増加につながるわけです。
事例(2)とも共通することですが、この事例のポイントは「何気ない自社の情報をオープンにすることで、ユーザーの親近感を獲得すること」。特別な技術や商品がない企業でも参考にしやすい手法といえそうです。
まとめ
今回の記事ではSNSマーケティングにおけるコツと、3つの実例を紹介しました。後編ではさらにたくさんの企業の事例を通じて多彩なSNS成功術を紹介しますので、ぜひ合わせてご覧ください。