事例で考える:プロブロガーが教える「バズる記事」の作り方。

事例で考える:プロブロガーが教える「バズる記事」の作り方。

Webマーケティング2021.03.31

目次


この記事はブログ「まだ東京で消耗してるの?」を運営するプロブロガー「イケダハヤト」さまより寄稿いただきました。


「MarketingBank」をお読みのみなさん、こんにちは。プロブロガーのイケダハヤトです。


「プロブロガー」は耳馴染みのない職業だと思いますが、要するに「ブログだけで飯を食っている人」程度の意味です。月間約300万PV、収益は300〜500万円ほどのメディアを運営しています。


というわけで、プロの目線で「バズる(=爆発的に拡散する)記事」の作り方を解説してみたいと思います。


タイトルが命。


まず、タイトルにこだわること。これが鉄則中の鉄則です。


タイトルに「引き」がなければ、どれだけ内容が面白くても、バズることはありません。ここを大前提として抑えておいてください。


事例を見るとイメージできると思います。ここ半年ほどで、うちのブログでバズった記事のタイトルを、リストアップしてみましょう。いずれの記事も、ツイッターやフェイスブックで話題になり、5万〜10万PVほど読まれています。


収入2,000万円ってこんな感じか...。お金に困らなくなってわかったこと。


野村證券の辞め方。新卒入社、在籍1年半。僕は給料泥棒でしかなかった。年商2,000万円稼げるようになって、考え方が変わりました。サラリーマンブロガーの記事が超つまらない理由


細木数子をテレビから「消した」一冊のノンフィクション作品:溝口敦「細木数子 魔女の履歴書」


「糖質制限」とか言ってるおっさんたち、外食で「白米だけ残す」なんてありえないでしょ。大人として。


大企業を辞めてわかった!大企業が理不尽なところ9選


まだ「コメント欄」で消耗してるの?


人気ブロガー・はあちゅう氏の「人脈形成術」はとても正しいので、みんな真似した方がいいよ。


「住友不動産販売」を辞めました。三年前ですが、後遺症は未だにあります。


Umekiさん、田端さんのnote売上がやばいw 1記事で100万円...!!


ダメな会社は、優秀な人から先に辞めていく。


20 歳を越えたら、家族を捨てよう


「このコンテンツ、380円は高いと思います」とか書いちゃう人、おバカなのかな?


「置かれた場所で咲きなさい」?それ、過労死する考え方ですよ。


さて、以上の記事タイトルから「傾向性」を掴んでいきましょう。


「お金の話」


ざっと見ておわかりのとおり、「お金」が絡むと記事は一気にバズりやすくなります。上記のリストでいえば、「1.」「3.」「11.」「14.」がお金の話ですね。


収入2,000万円ってこんな感じか...。お金に困らなくなってわかったこと。


年商2,000万円稼げるようになって、考え方が変わりました


Umekiさん、田端さんのnote売上がやばいw 1記事で100万円...!!


「このコンテンツ、380円は高いと思います」とか書いちゃう人、おバカなのかな?


特にポイントになるのは「年収(年商)」というキーワードです。みんな大好きなんですよね、年収の話って。


でも、ぼくはフリーランスなので「年収」という表現は使えないんですよ、年収って、一般的には会社員の収入を指すことばじゃないですか。なので、「年商」という表現を使っていました。


が!ぼくの本を手がけてくれた編集者の箕輪厚介さんから「年商って、収入と同じ意味らしいので、『収入』に変えていいですか?年商だとわかりにくいので」と言われたんです。


なるほど、調べてみると、確かに「年商」ではなく「収入」という表現でもおかしくはないらしい。


というわけで、ぼくは最近、意図的に記事タイトルでは「収入」という表現を使っています。


収入2,000万円ってこんな感じか...。お金に困らなくなってわかったこと。。感覚とデータからいって、明らかに「年商」より「収入」のほうが読まれやすいです。わかりますか、この細かさ。「年商」と「収入」では、アクセス数が違うんです。


また、「11.Umekiさん、田端さんのnote売上がやばいw 1記事で100万円...!!」のように「具体的な金額を入れる」ことは基本的なポイントです。


この記事のタイトルが「Umekiさん、田端さんのnote売上がやばいw」だけだったら、せいぜい1万PV程度だったでしょう。具体的な金額を入れたことで、この記事は4万PVほどまで跳ね上がりました。


類似ネタとしては「節約」系の話も読まれやすいですね。あとは「副業」。ぼくはあんまり手をつけないジャンルですが、アクセス数を稼ぎたいときには押さえておきたいテーマです。


「働き方」


こちらも明らかに傾向性がありますが、「働き方」ネタはよく読まれます。上のリストだと「2.」「7.」「10.」「12.」「15.」なんてところが、働き方系のコンテンツですね。


野村證券の辞め方。新卒入社、在籍1年半。僕は給料泥棒でしかなかった。大企業を辞めてわかった!大企業が理不尽なところ9選


「住友不動産販売」を辞めました。三年前ですが、後遺症は未だにあります。


「置かれた場所で咲きなさい」?それ、過労死する考え方ですよ。


なぜ働き方がバズるか。


それは第一に、多くの人が「働き方について悩んでいる」からです。悩みにタッチし、それを解消するようなコンテンツは、バズる傾向があります。


第二に、多くの人が「働き方」について「言いたいこと」を持っています。会社経営者の方なんかは、だいたい一家言ありますよね。


これにかぎらず、「言いたいことがある」テーマを扱った記事というのは、自然とツイッターやフェイスブックで拡散しやすくなります。頼んでもいないのに、「私はこう思う」と語り出してくれるわけですね。


「大企業」


働き方と絡めて書くことが多いのですが、大企業の名称が入った記事は、読まれやすいです。上記のリストでは、以下の2本ですね。


野村證券の辞め方。新卒入社、在籍1年半。僕は給料泥棒でしかなかった。「住友不動産販売」を辞めました。三年前ですが、後遺症は未だにあります。


「フジテレビ」「電通」「博報堂」を絡めた記事も読まれやすいですね。ぼくは記事のなかでよくこれらの企業について言及しています。あとは「セブンイレブン」「モスバーガー」「マクドナルド」「吉野家」のような、身近な商品を扱う企業の名前も、フックになりますね。


知っている「大企業」の名前がキーワードとして含まれていると、人は自然と「これは自分に関係がある話かもしれない」と思い、クリックしてしまうんでしょうね。


東洋経済オンラインなんかは「企業名」を含んだコンテンツの扱いがうまいので、ぼくもよく参考にしています。


「有名人」


大企業と似ていますが、有名人が絡むコンテンツは読まれやすいですね。芸能ニュースはみんな大好きなんです。上のリストだと、以下の2本が有名人系コンテンツですね。


細木数子をテレビから「消した」一冊のノンフィクション作品:溝口敦「細木数子 魔女の履歴書」


人気ブロガー・はあちゅう氏の「人脈形成術」はとても正しいので、みんな真似した方がいいよ。


有名人ネタがいいのは、本人がツイッターなどをやっている場合、自分のアカウントで拡散してくれる可能性があることです。


ここで取り上げた「はあちゅう」さんは、自分の書評は積極的にRTしてくれるので、端的なアクセスアップが狙えます。


かくいうぼくも、自分の書籍のレビューは積極的にRTしています。感謝と宣伝を兼ねて。ぼくがRTすると300〜1,000PVくらい増えるので、ぜひご利用ください(笑)


本音を代弁する。


「テーマ」だけではなく、その「中身」についても工夫をしていきましょう。


単に「働き方」ネタがバズるから、働き方について書けばいいというわけではありません。ぼくは多くの場合「本音を代弁する」ことを意識して記事を書いています。


「糖質制限」とか言ってるおっさんたち、外食で「白米だけ残す」なんてありえないでしょ。大人として。


20 歳を越えたら、家族を捨てよう


事例的には、上記のコンテンツなんかはわかりやすく「代弁」していますね。


「糖質制限〜」という記事については、もはやタイトルだけで「その通り!」と共感してくれる人がいそうです。「中身を読まずとも、タイトルだけで共感されるコンテンツ」は、かなりバズりやすい傾向がありますね。


意外だけど納得感があること。


「代弁」よりさらに高度なのが、読者が「この話は意外だけど、たしかにその通りだ」と思わせるコンテンツです。これもよくバズるので、ぼくは意識的に書くようにしています。上記のリストでは、この記事が該当しますかね。


まだ「コメント欄」で消耗してるの?


この記事では「ブログのコメント欄なんて、さっさと閉鎖したほうがいいよ」という話を書いています。


この主張って、ブログを書き始めたばかりの人にとっては「意外」に聞こえるはずです。「意外性」は大切で、「そうなのか!なるほどな〜」と、軽い驚きを抱いて、そのまま記事をシェアしてもらう......という動線が生まれます。


イケダハヤト流、バズる記事のレシピ。


というわけで、ぼくは概ね、以下のようなことを考えて、バズる記事を設計しています。


「テーマ」としては、お金・働き方・大企業・有名人など、バズりやすいものを扱う。可能なら、それらのテーマについて「本音を代弁」することを意識する。さらに、できることなら、驚きと納得のエッセンスを加える。


プロセスとしては、テーマ選びから始まり、「代弁」「驚きと納得」の味付けをしていくイメージですね。すべてを同時に行うこともあるので、必ずしもこの順番を意識しているわけではありませんが、再現性はある手法だと思います。ぜひお試しあれ。


本数が命。


ここまで書いてひっくり返すようですが、こうしたノウハウは「実際にやってみないと身につかない」ものでもあります。


水泳や楽器と一緒で、プロのノウハウを教えてもらったところで、すぐにできるわけではないのです。大リーガーに「ホームランの打ち方」を教えてもらっても、ホームランを打てるようになるわけはありませんよね。練習が必要、ということです。


というわけで、バズる記事を作れるようになりたければ、とにかく毎日、記事を書いてください。ぼくは毎日1万字以上のコンテンツを生産しています。この世界は本質的に、職人芸、アートの領域なのです。