Webマーケティング2021.03.31
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広告はマーケティングの成否のカギを握る重要なもの。多くの広告担当者が「どの商品を、どんな広告で売り出そうか」と頭を悩ませ、日々トライ&エラーし続けていることでしょう。
しかし、どれだけすばらしいキャッチコピーと写真を使って制作した渾身の広告も、「どこに広告を出すか」という点を間違ってしまうと効果を出すことはできません。つまり「広告づくり」に先立って「広告(媒体)選び」が重要となるのですが、残念なことにこの広告選びを十分にできていない企業が多いのが現状です。今回の記事は、効果を出せる「広告の選び方」についてご説明したいと思います。
鉄則は「お客様がいるところに釣竿を垂らせ」
広告の選び方を考えるとき、重視すべきポイントは2つあります。ひとつは「どんなお客様に広告を見せたいのか」、つまりターゲットを絞ること。そしてもうひとつは、「どんなニーズに対して広告を見せるのか」です。
たとえば、バイク雑誌にカメラの広告を掲載するのは効果的な広告選びとはいえません。カメラの広告を出すならカメラ雑誌に、バイクの広告を出すならバイク雑誌に掲載するのがセオリーです。あるいは、キャンペーン広告の場合、サマーキャンペーンの企画に冬用のコートの広告を掲載しても効果は出にくいでしょう。顧客層と顧客のニーズ、この2点が掲載する場所とずれていると、広告の効果は半減してしまいます。
もちろん、あえて定石に反して「逆張り」に挑戦する手もないわけではありません。バイク雑誌を読んでいるカメラ好きも中にはいるでしょうから、あえてバイク雑誌にカメラの広告を載せてみる。広告が目立つという意味では面白い作戦ではあります。しかし、堅実に成功を狙うならやはり「お客様がいるところに釣竿を垂らせ」が鉄則のセオリーといえるでしょう。
広告選びは、意外に間違えがち
ところが、現実に行われているインターネット広告を見てみると、意外にこのセオリーから外れているケースが多いのです。ひとことにお客様といっても、そのニーズはさまざま。ターゲットとするユーザーが、セール商品を求めている人なのか、最新商品を探している人なのか。どんなジャンルの商品に興味があるのか。学生なのか、サラリーマンなのか。どんな属性のユーザーが、何を求めてサイトに訪れるのかということを把握しなければ、適切な広告選びをすることはできません。
そして、この広告選びに失敗してしまうと、広告の成功はまずありえません。どんなに魅力的な商品でも、どれだけ素晴らしいキャッチコピーと画像を使って最高の広告を作っても、それをどんな上位の広告枠に掲載しても、載せる場所を間違えていてはすべてが無駄になってしまいます。
広告は、「広告選び」から考える
では、こうした失敗を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。答えは「広告選びを前提に、広告に載せる商品や販促企画を決めること」。「どこに、どんなテーマで掲載される広告か」を決めた上で、そこに適した広告企画を考えれば、先ほど述べたような失敗は起こりません。逆にいうと、最適な広告選びが確定するまでは決して広告を出してはいけないのです。
広告の選び方がしっかりできていれば、あとはその場所に相応しい内容の広告を作り込めばOK。その際に気を付けなければいけないことは、広告の「テーマ・画像・テキスト」という3つの要素がしっかり結びついていることです。たとえばブランド商材を求めているユーザーがターゲットなら、価格の安さよりも品質の高さやラグジュアリー感を強調するテキストが必要ですし、もちろんそれに合わせて高級感のあるイメージ画像を用意しなければなりません。
広告選びで失敗しにくくする方法とは
ここまで広告の選び方について説明してきましたが、理論だけを知っていても実際の広告運用ですぐに成果を出すのは難しいもの。しかし、悲観する必要はありません。広告運用は、出稿回数を重ねて結果を分析することで、確実に精度を高めていくことができるからです。広告が失敗した原因を詳しく分析すれば、広告選びの成否もおのずとわかるようになります。このトライ&エラーを繰り返すことで、失敗しない広告選びのコツも見えてくるはずです。
このことから、広告を出稿する際にいきなり多額の出費をするのはおすすめできません。たとえば100万円の広告を1回やるなら、5万円の広告を20回打ったほうが効果の分析ができる分すぐれているといえます。とりわけインターネット広告の場合はデータを事細かにとることができるので、こまめに出稿することのメリットは非常に大きい。逆に、間違った先入観に則って一度の広告に大金を使ってしまうと、思わぬ失敗を招くリスクがあるのです。
まとめ
広告戦略を考える上で意外に見過ごされがちな「広告選び」ですが、実は広告の鍵を握るといっていいほど重要なものだとおわかりいただけたと思います。広告運用に携わるならまずは広告選びにしっかり時間を費やすべきですし、効果検証においても、広告のクリエイティブばかりに着目するのではなく「掲載した場所に間違いはなかったか」をまずは疑うべき。ぜひ、今後の広告運用のご参考にしていただければと思います。