検索エンジン最適化(SEO)からFacebook最適化(FBO)へ-Facebookを駆使した新しいマーケティング【前編】

検索エンジン最適化(SEO)からFacebook最適化(FBO)へ-Facebookを駆使した新しいマーケティング【前編】

Webマーケティング2021.03.31

目次


インターネットの世界において、SEOは、ながらくユーザーを自社サイトや自社サービスへ誘導する最も重要な手法でした。Googleなどの検索エンジンの上位に自社のサイトを表示させることで、ユーザーとの接触を図ってきたわけです。


しかしこの数年で、この状況に変化が起こりつつあります。各ソーシャルメディアを軸としたマーケティングの重要度が上がり、そのユーザー数の増加や費やされる時間の長さから、SEOよりも重要視されるようになりつつあるのです。


とりわけ、世界的なソーシャルメディアとして成長したFacebookは、今やGoogleにも匹敵する一大プラットフォーム。Facebookを有効活用した「FBO」といわれるマーケティング手法に、熱い注目が集まっています。


この記事ではFBOの意味、特徴とその活用方法について、前編・後編2回にわたりご紹介します。


FBOとは何か?


まず、FBOという言葉の意味についておさらいしましょう。FBOとは「Face Book Optimization」の略で、日本語でいうと「Facebook最適化」となります。つまり、Facebookというメディアに最適なかたちでコンテンツを制作・配信することです。一定のルールやノウハウに従いコンテンツを配信することで、より効率的に、多くのFacebookユーザーに読んでもらう。それがFBOの目的とするところです。


なぜ今、SEOではなくFBOなのか


それではなぜ今、FBOが注目を集めているのでしょうか。それはFacebookの持つ影響力が世界的に拡大しているから。もちろんFacebook以前にも影響力の強いソーシャルメディアはいくつかありました。かつてのmixiなどがその一例です。しかし、それらの多くは若者を対象としたものであり、グローバルかつ全世代のユーザーを獲得するに至ったメディアは存在しませんでした。一方、Facebookは世界中で利用されているばかりでなく、若者から中高年まで幅広い年齢層をユーザーとして取り込んでおり、もはや「名刺代わりにFacebookアカウントを持つ」ことが当たり前のこととなりつつあります。


その圧倒的なユーザーアカウント数はメディアとしての「送客力」を高めることになり、近年では検索エンジンの世界的スタンダードとして君臨するGoogleをしのぐほどに。事実、オンラインメディア解析ツール「Perse.ly」が約400のオンラインメディアのユーザー流入元を解析したグラフによると、2015年7月にはFacebookがGoogleの送客数を超えています。名実ともに、FacebookはGoogle以上に重要なメディアに成長したといえます。


なぜユーザーはGoogleではなくFacebookで情報を探すのか


従来、Webマーケティングの世界ではSEOが重視されてきました。これは、多くのユーザーがGoogleなどの検索エンジンを使って知りたい情報を検索していたから。Googleの検索結果画面で自社のコンテンツを表示させることができれば、そこからユーザーを呼び込むことができたわけです。しかし、先ほどお伝えした通り、現代のユーザーはGoogle以上にFacebookを使って情報を収集していることがわかります。それはなぜなのでしょうか。


その理由として考えられるのは、Web上にアップされたコンテンツが増えすぎたことと、ユーザーのニーズや趣味趣向が昔と比べて細分化されてきたことです。このような状況下では、必要な情報をGoogleから検索しようとしても、なかなかピンポイントにたどり着くことができません。ユーザーにとって「有益な情報をより効率的に手に入れる方法」が必要だったわけです。そんな状況に着目して登場したのが各種のキュレーションメディアでしたが、雑多な情報をただ集めただけのものも多くその数も増えすぎたため、ユーザーにとっての利便性はさほど高いものになりませんでした。


そこで次に現れたのが、ユーザー分析を元にレコメンド機能を備えたメディアです。レコメンド機能はさまざまなメディアに設置されていますが、その仕組みは次の通りです。


まずは様々な方法でユーザーを自社サービスへと誘導。ユーザーアカウントを登録してもらいます。その後、そのユーザーアカウントを軸に行動データを分析し、その行動データに基づき、「そのユーザーの嗜好性・行動パターンに適している(と思われる)コンテンツ」をレコメンドする。レコメンドされたコンテンツに対する反応も分析し、さらに以後のユーザーの行動予測に役立てます。


このようなサイクルを回すことによってレコメンドの精度を高め、レコメンド機能を備えたメディアは多くのユーザーの支持を獲得することになります。こうしたメディアにアクセスすると、ユーザーは自ら検索エンジンで探すことなく、自分の求める情報を届けてもらえる。それはこれまでのメディアにはない、大きなメリットでした。


そして、そんなメディアの中で最も典型的な成功をおさめたのが、様々なユーザーアカウントを保有・分析しているFacebookというわけです。


まとめ


前編ではFBOの意味と、Facebookがいかにマーケティング上価値のあるメディアとして成長してきたのか、その背景と要因についてご紹介しました。後編では、マーケティング視点から見たFacebookの魅力をさらに深掘りし、実際に海外の企業がどのようにFBOに成功しているのかについてお伝えします。