Webマーケティング2021.03.31
目次
ソーシャルメディアポリシーとは?
ソーシャルメディアポリシーとは、企業がソーシャルメディアの使用目的・利用する際の心構え・ルールなどを定めたガイドラインです。
ソーシャルメディアの普及によって、不用意な発言や発信した情報が炎上につながるリスクが増えています。あらかじめソーシャルメディアポリシーを文章して定めておくことによって、社内外の人々のソーシャルメディア利用によって引き起こされるリスクを回避することにつながります。
2種類のソーシャルメディアポリシー
1. 組織の関係者向けのソーシャルメディアポリシー
*1つ目として、従業員をはじめとした組織の関係者に向けて定められたソーシャルメディアポリシーがあります。*
ソーシャルメディアを個人で利用する場合の発信内容や姿勢、注意点がまとめられています。
個人利用のためのソーシャルメディアポリシーは、必ずしも外部に公開する必要はありませんが、企業によっては公開しているところもあります。
例えば、一般社団法人インターネットコンテンツ審査監視機構が定めているポリシー策定手引きとして、下記のような項目が挙げられます。
・目的や基本方針
・ソーシャルメディアの定義
・法令の遵守
・個人情報やプライバシの配慮
・社内規則の遵守
・機密情報保護
・慎重な情報発信
・誠実で責任ある行動
・批判的な相手や攻撃的な相手への対応
・一個人の意見であることの明示
・社内研修への積極的な参加
2. 公式アカウントのソーシャルメディアポリシー
*2つ目として、企業の外部向けに作成する、公式アカウントのソーシャルメディアポリシーがあります。*
公式アカウントからの発信内容を見る人など、主に外部向けに作成されています。
Webサイトなどを通じて公開している企業が多いです。
外向けに公開することで、運営の方針を理解してもらい、誤解を防ぐことができます。
ソーシャルメディアポリシー3つの具体例
1. コカ・コーラのソーシャルメディアポリシー
コカ・コーラでは、従業員に向けたソーシャルメディアポリシーと、公式アカウントでの発信のソーシャルメディアポリシーが一つに集約され、下の4項目で構成されたソーシャルメディアポリシーを公開しています。
1. 本行動指針の基本理念
コカ・コーラに関わる者としての価値観を整理した上で発信することを定義しています。
2. ソーシャルメディアに関するコカ・コーラからのコミットメント
コカ・コーラにおける5つの基本的価値観を整理しています。
3. 社員及び協力会社によるソーシャルメディアの利用について
組織の一員として利用する際に、理解しておくべきことが整理しています。
4. コカ・コーラシステム認定 ソーシャルメディア担当者に対して求めること
コカ・コーラを代表する立場で発信する際のことについて定めています。
公認アカウントで発言する場合、規定のトレーニングプラグラムを修了する必要があります。
2. シックス・アパート のソーシャルメディアポリシー
シックス・アパート株式会社は、社員・契約社員・アルバイト・業務委託者などを対象にソーシャルメディアポリシーを定めています。
シックス・アパートでは関係者による個人での発信を推奨しています。そのため、ソーシャルメディアポリシーを定めることで安心して積極的な活用を行える体制を整えています。
例えば、ソーシャルメディアを活用した発信において個人アカウントにシックス・アパートの関係者と明記する場合、支障がない範囲で所属を正しく伝えたり、会社としての正式な発言ではないことを伝えたりすることなどを定めています。
シックス・アパートのソーシャルメディアポリシーは、クリエイティブ・コモンズの「表示--継承の条件」でも公開されています。
3. 朝日新聞社のソーシャルメディアポリシー
朝日新聞社では、2015年はじめにソーシャルメディアポリシーを改定し、記者がソーシャルメディアを活用して積極的に発信・情報収集できる体制を整えています。
朝日新聞社では、記者を名乗ってアカウントを運用する場合、会社の承認制となっています。承認されたアカウントは、ソーシャルメディアアカウント一覧の中に記者アカウントとして掲載されます。
ソーシャルメディアポリシーを定めるだけでなく、ソーシャルメディア活用の社内研修を実施することによって、ソーシャルメディアの活用方法や炎上時の対策などについての教育にも力を入れています。
ソーシャルメディアポリシーを作るときに意識しておきたい3つのこと
1. 企業全体の行動規範を反映させる
ソーシャルメディアポリシーは、企業全体としての行動規範を土台として作成されます。
そのため、まずは企業全体の行動規範が明確化する必要があります。
その後に策定されるソーシャルメディアポリシーは、企業全体の行動規範が反映されていることが重要です。
2. 具体例を盛り込む
*多くの企業のソーシャルメディアポリシーでは、具体的な発言例を示した想定事例や、ソーシャルメディアの理解を深めるための参考情報などが盛り込まれています。*
それによって、社内関係者や公式アカウントの閲覧者などが、ソーシャルメディアポリシーを正確に理解することにつながります。
社内研修やトレーニングを行うことによって、ソーシャルメディアポリシーの定着を図ることも重要です。
3. 具体的な対応ルールのアクションまで検討する
*ソーシャルメディアポリシーを定める場合具体的な対応ルールのアクションに至るまで検討しておく必要があります。*
それによって、ソーシャルメディアポリシーを逸脱した行動が発覚した場合に迅速かつ適切な対応を行うことが可能になります。
逸脱の判断を行う責任者や対応を行うタイミングのほか、定期的な監視を行うモニタリングの仕組みなども検討しておくことが重要です。
まとめ
今回はソーシャルメディアポリシーについてまとめました。
重要なポイントを押さえてソーシャルメディアポリシーを策定することで、より積極的なソーシャルメディア活用を進めていきましょう。